朝日ラバーの2015年3月期第3四半期連結決算は、売上高が45億4600万円、前年同期比8・4%増となった。利益面では役員退職慰労引当金繰入額の計上、売上高の製品構成に変動があったこと等から、営業利益は1億600万円、同55・5%減、経常利益は1億1700万円、同54・9%減と増収減益となった。四半期純利益は受取保険金の計上等により1億6900万円、同16・9%増となった。
同社は2020年を見据えたビジョン「AR―2020 VISION」を策定し、2014年4月からスタートした新中期三ヵ年計画を「V―1計画」と位置付け、重点事業領域を自動車・医療・ライフサイエンスの3つとし、各事業分野で事業基盤の整備と強化、収益の柱となる主力製品の受注拡大、同社技術を活かした新製品の創造を図ってきた。
セグメント別の工業用ゴム事業では、機能製品であるRFIDタグ用ゴム製品の海外向けの受注が引き続き好調に推移した。また、スイッチ用ゴム製品等の自動車関連製品の受注が海外向けを中心に増加した。
この結果、工業用ゴム事業の売上高は36億6700万円、同10・0%増となった。営業利益は3億6000万円、同0・8%減となった。
医療・衛生用ゴム事業では、プレフィルドシリンジ用ガスケット及び採血用・薬液混注用ゴム栓の受注が堅調に推移いたした。
この結果、医療・衛生用ゴム事業の売上高は8億7900万円、同2・4%増となった。営業利益は5600万円、同12・3%増となった。
同社は2月6日に、通期連結業績予想の修正を発表した。売上高については前回予想から変更はなく、60億5000万円、前期比6・6%増の見込み。利益指標については販売費および一般管理費に、14年10月に逝去した同社創業者である故伊藤巖氏に対する役員慰労引当金繰入額の計上があったことや、売上高の製品構成に変動があったことなどにより、営業利益1億3200万円、同56・0%減、経常利益1億5400万円で同48・7%減と下方修正した。また、同氏の死去に伴う受取保険金を特別利益に計上したこと、役員退職慰労金に対する繰延税金費用の減少等により、当期純利益については2億1400万円、同18・9%増と上方修正した。