クラレ 「エバール」フィルムが化学薬品防護用手袋に採用

2015年02月13日

ゴムタイムス社

 クラレは2月12日、同社のEVOHフィルム(同社登録商標「エバール」フィルム)が、工業用手袋の製造・販売を行うダイヤゴムの化学薬品防護用手袋「ダイローブ」T2シリーズに採用されたと発表した。

 同製品は、「エバール」フィルムを使った複合フィルムを使用することで、業界最高水準の耐薬品透過性を実現している。

 「エバール」は、化学薬品に対して高い耐性を持っており、有機溶剤や化学薬品、農薬等の容器に広く採用されている。

 最近では、「エバール」フィルムの良好なヒートシール(熱溶着)性を活かし、薬効成分や芳香成分を守るバリアシーラント(バリア性内面材)として、防虫剤や芳香剤、医薬品分包や湿布など、薬品・トイレタリー分野での採用も進んでいる。

 「ダイローブ」T2シリーズは、インナー手袋として使用することで、化学薬品の透過を防ぎ、溶剤が経皮吸収されるリスクを低減する。特殊ポリエチレンに「エバール」フィルムを積層した複合フィルム製で、業界最高水準の耐薬品透過性を実現。フィルムの複合化方法に工夫を凝らし、同社従来品に比べてシール断面部分(ポリエチレンと「エバール」フィルムの接面)の耐透過性にも優れている。

 「エバール」は同社が1972年に世界で初めて開発・事業化した高機能性樹脂で、プラスチックとしては最高レベルのガスバリア性(汎用ポリエチレンの約10,000倍)を有する。優れた気体遮断性を生かし、食品の保存性に優れた包装材料を始め、化粧品、薬品の容器、また軽量化や成形加工を容易にしながら厳しい燃料ガスの排出規制に対応できるため、自動車ガソリンタンクへも採用されている。また、壁紙や床暖房用パイプなど住宅・生活関連分野などへも展開しており、世界的に需要が拡大している。

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