横浜ゴムは2月25日、岩谷瓦斯と共同開発した高圧水素ガス用ホース「ibar HG70」を2015年内から本格的発売すると発表した。
同ホースは国内各地の水素ステーションで実証実験を重ねながら使用されているが、今後2016年3月末までに建設が計画されている水素ステーションでも使用される予定。
同社は2003年から独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)事業の委託を受け、高圧水素ガス用ホースの開発に取り組んでいる。同製品は、燃料電池自動車(FCV)に燃料の水素を充填するディスペンサー用ホースで、水素充填圧力70MPaに対応する。一般的な高圧水素ガス用ホースが使用している鋼線ではなく特殊合成繊維(特許取得済み)を補強層に採用しており、先に販売済みの35MPa用ホース「ibar HG35」の知見も踏まえて、軽量で柔軟性に優れるホースとなっている。
2014年5月、「水素及び燃料電池の自動車に関する世界技術規則(gtr)」の国内導入に伴い、高圧ガス保安法に基づく容器保安規則が改正され、国際基準と同等の87・5MPaでの水素充填が可能となった。それを受けて87・5MPaでの水素充填に対応する高圧水素ガス用ホースの使用が求められており、横浜ゴムはNEDOの委託事業にて87・5MPa対応ホースの開発にも現在、積極的に取り組んでいる。また、米国や欧州でも水素ステーションの建設が進んでいることから、将来的には海外への展開も視野に入れている。
同製品は、2月25日~27日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「第11回 国際水素・燃料電池展(FC EXPO2015)」において、岩谷産業および水素供給・利用技術研究組合(HySUT)出展スペースで展示される。