合成ゴム工業会はこのほど、2014年1~12月期の合成ゴム品種別生産・出荷実績をまとめた
2014年の合成ゴム需要環境は、上期は海外市況の悪化、国内市場での需要低迷による販売低調の影響があった一方、海外市場では為替相場が円安に転じたことによる輸出販売価格の押し上げもあった。下期には合成ゴムの主原料である原油価格の急落と、海外のタイヤ向け汎用合成ゴムの供給過剰が要因となり、海外市況の軟化が続いた。
こうした需要環境の中、合成ゴム生産量は合計で159万9189t、前年同期比4・4%減となった。
品種別生産量をみると、SBRは63万9620t、同6・7%減、BRは28万5577t、同5・6%減となっており、タイヤ向けを中心とする汎用合成ゴムは、タイヤ生産が微減となったことなどから、生産が抑えられた。自動車用ゴム部品を中心とするNBRも、自動車生産が前年を下回って推移したこともあり、10万957t、同12・2%減となった。
CRは12万8814t、同2・4%増、EPTは23万5018t、同16・1%増と堅調な伸びをみせており、輸出が落ち込んでいるものの、国内では工業用ゴム製品向けをはじめ熱可塑性エラストマーの改質材としての需要が拡大している。
出荷数量は下期の海外市況軟化が響き、合計で同3・3%減の152万706tとなり、年間実績で生産とともに前年を下回った。販売金額も合計で同1・4%減の5477億7200万円となり、出荷数量と同様に減少した。
品目別に見るとタイヤ向け
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