ベルト3社の4~12月期 アジア需要の取り込みで明暗

2015年03月09日

ゴムタイムス社

 ベルトメーカー3社の15年3月期第3四半期決算が出そろった。国内では自動車産業における伝動ベルトの構造的な需要減問題に直面する中、海外市場および一般産業向けに拡販を図り、各社売上を伸ばした。利益面ではアジア地域における需要の取り込みで明暗を分けた。ベルト3社の売上高合計は1651億4700万円、前年同期比4・0%増、営業利益は121億1000万円、同2・0%増となった。

◆三ツ星ベルト

 三ツ星ベルトの15年3月期第3四半期連結決算は、売上高498億5400万円、前年同期比4・5%増、営業利益55億9300万円、同18・5%増。アジア圏を中心とした成長市場における販売活動を強化し、経営の効率化と一層のコスト削減に取り組んだことで増収増益となった。

 国内ベルト事業のうち、自動車用ベルトは消費税増税により国内新車販売が落ち込む中、メーカーの新型車種投入効果により、新車組み込みライン用の売上高は前年同期並み、補修用ベルトの売上高も横ばいとなった。一般産業用ベルトや合成樹脂素材は、企業の設備投資の回復に伴い増加。OA機器用ベルトは、一部企業に国内生産回帰の動きがあったことから増加。一方、運搬ベルトは大型案件が減少した。その結果、同事業の売上高は207億7500万円、同4・2%増、営業利益51億9100万円、同4・3%増となった。

 海外ベルト事業のうち、アジアの自動車用ベルトは新興国で補修市場の獲得に注力し、売上高が増加。一般産業用ベルトも中国を中心に堅調に推移し、OA機器用ベルトも日系ユーザーの新機種への組み込み活動が奏功した。米国では、一般産業用ベルトは積極的な拡販活動により農業用を中心に新規需要を獲得。自動車用ベルトも前年同期並みに推移した。一方、欧州では自動車用ベルトは横ばい、一般産業用ベルトはロシアの通貨下落の影響などから減少した。その結果、同事業の売上高は223億8000万円、同6・0%増、営業利益は19億4100万円、同51・1%増となった。

 通期の連結業績予想については、売上高650億円、前期比2・1%増、営業利益72億円、同17・6%増を見込んでいる。

◆ニッタ

 ニッタの15年3月期第3四半期連結決算は、売上高438億6800万円で前年同期比5・4%増、営業利益31億1500万円で同28・2%増となった。

 同社グループの主要需要業界においては、海外で自動車や建設機械業界などの需要が

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