岐路に立つISO規格 有効活用を目指し改定へ
ISOが大きく変わろうとしている。品質マネジメント規格のISO9001、環境マネジメント規格のISO14001は、取引先の要請などから急速に普及したものの、事業活動とのかい離が指摘され、近年は漸減傾向にある。大規模な改定が近いISOと、企業の取組みの現状を調べてみた。
ISOは国際標準化機構が決めた国際的な規格であり、ISO9001は、品質マネジメント規格で、組織が適切な品質・サービスを確立して文書化し、実施・維持するプロセスを持っていることを、第三者的に認証する規格だ。
一方、ISO14001は、環境マネジメント規格で、組織が「PDCAサイクル(①方針・計画、②実施、③点検、④是正・見直し)」に基づき、継続的な環境維持に貢献可能であることを、第三者的に認証する規格である。
公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)によると、日本国内でのISOの取得件数は、ISO9001が約4万9000件、ISO14001は約2万6000件(2014年3月末現在)となっているが、近年は減少傾向にある。
弊紙でゴム関連企業を対象にISO規格への取組みについてアンケートを実施したところ、品質管理体制の整備が進み、社員の認識が向上したとする一方、改善事項が減ったことでマンネリ化しているなど、活用状況に課題を上げる企業もあった。
今後に予定される大幅な改定(別項参照)を経て、企業側が新しいISOを経営の有効なツールと位置付け、その仕組みを事業活動に充分組み込めるかどうかが注目されている。
主なゴム企業によるISOへの取組みを紹介する。
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