横浜ゴムは3月5日、道路橋用伸縮装置(道路ジョイント)「YHT」シリーズをリニューアルし、「YHT―50―N」「YHT―70―N」として1月から販売開始したと発表した。
リニューアル品は道路ジョイントに求められる止水性と耐久性をさらに向上させたことが特徴。併せて、新製品としてより大きい伸縮量に対応可能な「YHT―90―N」も発売した。伸縮の許容量を90ミリとする表面鋼製の道路ジョイントの発売は同社初となる。YHT―90―Nは現時点では自動車専用道路のみ対応。
道路ジョイントは橋桁間または橋桁端部の繋ぎ目に止水の目的で設置され、同時に温度変化による橋桁の伸縮や地震発生時などの動きを吸収する。道路ジョイント部からの水漏れは橋梁下部にある各種付属物が腐食する一因となる。止水性を確保するためには、道路ジョイント本体の止水構造が要となるが、同社の道路ジョイントは全てのタイプにおいて内部の伸縮止水ゴムと側板を一体化させる加硫接着構造を採用しているため、長期にわたり信頼性の高い止水性能を維持する事ができる。
新発売の「YHT―N」タイプは、伸縮止水用ゴム部分の厚みをさらに増すことで機械的損傷への耐性を強化するとともに、道路ジョイント装置内部を全てゴムで覆う被覆構造とし、鋼材部の露出を極力無くすことで本体内部の腐食を防ぎ、より長期にわたって性能確保する事が可能となった(特許出願済)。
近年では橋梁の長寿命化対策などから、主に補修用として表面が鋼製の道路ジョイントの需要が拡大している。横浜ゴムはこれまで表面がゴム製の道路ジョイントを主にラインアップしていたが、これらの市場動向を鑑みて鋼製の「YHT」シリーズを拡充した。同シリーズとしては、既に「YHT―20」「YHT―30Ⅲ」を販売しており、今回のリニューアルおよび新規サイズ発売により、高い耐久性や止水信頼性を持つ同シリーズの一層のラインアップ充実をアピールし、販売を強化していく考え。