横浜ゴム 極寒冷地仕様のコンベヤベルト販売を本格化

2015年03月12日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムは3月11日、世界的な資源開発市場の需要取り込みの拡大を狙い、極寒冷地仕様のコンベヤベルト「アイスガードAR」の販売を本格化すると発表した。

 現在、資源開発は採掘が難しい北極圏などの寒冷地へ対象が広げられており、厳しい環境でも使用可能なコンベヤベルトのニーズが高まっている。こうした背景から同社は寒冷地仕様のコンベヤベルト開発に取り組んできた。これまでカナダのオイルサンド採掘現場向けなどを対象に開発を進め、その耐寒性、耐衝撃性において高く評価されたため全世界向けに本格販売する。同社は世界各地で具体的な商談を進めており、今後はさらに販売強化を図っていく。

 オイルサンドは鉱物油分を含んだ砂岩で、加工すると石油が採取できるため石油代替燃料資源として注目を集めている。同社のコンベヤベルトが運用されているカナダ・アルバータ州の採掘現場では、冬の気温がマイナス40~50℃まで下がるためゴムの弾性が低下する傾向にある。このため、運搬物がコンベヤベルト上に落下した際の衝撃で亀裂が生じるなど、製品寿命やメンテナンス周期が短くなることが課題となっていた。こうした課題に対応するため、同社は独自のポリマーブレンド技術を応用して耐寒性、耐衝撃性を高次元でバランスしたコンベヤベルトの開発に成功した。

 同社は世界有数のコンベヤベルトメーカー。石炭や鉱石などの資源開発用として、これまで北米、中南米、豪州、中国などの採掘現場向けにコンベヤベルトを数多く納入してきた。これらの採掘現場は山岳・砂漠地帯など過酷な環境になり、こうした現場で長年使用されてきたことで高い信頼性を確立している。現在、同社は日本と中国にコンベヤベルト専門工場を保有している。

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