ダイキン工業㈱は14日、中国におけるフッ素化学製品の製造・販売子会社である大金フッ素化学(中国)有限公司の常熟工場に、フッ素塗料「ゼッフル」の生産設備を新設することを発表した。
2013年6月からの量産開始を計画し、設備投資額は約12億円を予定している。
世界で拡大するフッ素塗料市場の中でもとりわけ中国市場では、インフラ整備や環境・エネルギー産業の発展に伴い、フッ素塗料需要の急拡大が見込まれている。
今回の生産設備の新設により、同社のフッ素塗料の生産拠点は日本の淀川製作所(大阪府摂津市)、大金フッ素塗料(上海)有限公司と合わせて3拠点となる。生産能力は従来比約3倍に拡大し、これらの需要に対応していく。
同社のフッ素塗料「ゼッフル」は、フッ素化合物の特長である防汚性、耐侯性に優れており、一度塗ると、15~20年間は塗り替えが不要になる。 橋梁や化学プラントなど、厳しい環境下にある建造物を錆や腐食から保護するために特に耐候性が求められる重防食用途でも、長期にわたり美しい塗装外観を保持し、下地を保護できる。そのため、長期間劣化による塗り替えの必要がないため、塗り替え工事に伴う廃棄物などの環境負荷も低減できる。
また太陽電池を保護するバックシート用コーティング材用途では、従来のフッ素樹脂フィルムと比べて、同製品の塗布は薄膜でも同等の保護性能が得られるため、コスト削減にも貢献する。
今後、高層ビル、長大橋梁、化学プラントなどを対象とした重防食用途、建造物の屋根や外装に塗ることで、太陽熱を反射して屋内の空調負荷を軽減し節電ニーズに応えられる遮熱塗料用途、太陽電池のバックシート用コーティング材用途を中心に事業拡大を図り、2015年には同製品の販売で100億円を目指す。