東部ゴム商組のべルトホース部会は3月19日、東京・銀座のホテルモントレ銀座でべルトホース商工懇談会を開催した。(本紙既報)
同組合では1982年より、流通動態調査をベルト、ホースで交互に隔年調査してきたが、今年度からベルト、ホースを一括して毎年発表する形となった。
また、ベルト調査にプーリを追加、搬送ベルトのその他にモジュールベルトなどを追加、樹脂ホースから空圧チューブ・継手を分離するなど、最新動向に即した調査内容で「第1回アンケート調査」として実施した。
同調査は、同組合ベルトホース部会員企業および同部会選定の組合員企業合計62社を対象に、14年1~12月を調査対象としたもので、回答率は82%(51社)。製品を伝動ベルト(V形、歯型、プーリ、その他)、搬送ベルト(ゴム、樹脂、その他)、高圧ホース(ゴム、樹脂)、ゴムホース、樹脂ホース、空圧チューブ・継手に分類し、売上や価格、販売上の問題点など13の設問に対して回答を求めた。
〈14年売上高実績〉
高圧ゴムホース、ゴムホース、樹脂ホースは回答総数51社の7~8割が取り扱っており、ベルトで多いのは伝動V形で6割強が取り扱っている。
伸び率も総じてホースの方がよく、特に高圧ゴムは「105%~110%未満」「110%以上」の上位2回答が50%を占めた。上位2回答が多かったのは②高圧樹脂ホース44%、③樹脂ホース38%、④伝動プーリ34%、⑤樹脂搬送31%、⑥搬送ゴム30%の順。上位2回答が少なかったのは、伝動その他12%、搬送その他14%、伝動V形15%となった。
逆に「90~95%未満」「90%未満」の下位2回答が多かったのは、①搬送ゴム37%、②伝動V形35%、③伝動プーリ29%、④伝動歯付28%、⑤搬送樹脂27%の順。下位2回答が少なかったのは、樹脂ホース8%、搬送その他14%となった。
〈15年の売上高予想〉
12品目すべてで「95~105%未満」が一番多い回答となった。
売上高が「105%~」「110%以上」の上位2回答が多かったのは、①搬送樹脂38%、②高圧ゴムホース34%、③樹脂ホース31%、④ゴムホース27%、⑤高圧樹脂ホース25%の順だったが、全般的にはホースの方がベルトよりも景況感はよい結果となった。これに対し、下位2回答が多かったのは搬送ゴム、伝動プーリ、伝動Vのベルト3品目で、ともに25%という数値だった。搬送樹脂は下位2回答が3%と最も少ない。
以上の結果を設問1の「14年の売上実績」と比べると、樹脂ホースを除く11品目で下位2回答が減少しており、ベルトでは搬送樹脂▲24ポイント(以下p)、伝動歯付と搬送ゴム▲12p、伝動その他▲11p、伝動V形▲10p、ホースでは高圧ゴム▲14p、空圧チューブ▲10pなどとなっている。多くの調査対象組合員が、今年もベルト・ホースの売上は堅調に推移すると見ていることが窺える。
〈ベルト・ホース販売上の問題点〉
ベルト・ホースの販売上の問題点を「価格競争」「販売ルート」「客先の要求」「その他」に大別して尋ねた。6商品分類中、「価格競争」が1位回答だったのは伝動ベルト、搬送ベルト、樹脂ホース、空圧チューブの4品目。「その他」が1位回答だったのは高圧ホース、ゴムホースとなった。
カテゴリー別の伝動ベルトでは、①価格競争39%、②その他29%、③客先の要求19%、④販売ルート10%の順。具体的には「同業他社との価格競争による粗利率低下、失注が目立つ」が30%、「急ぎの納期が多い」が13%、「客先の海外進出要求の対応に苦労」が13%などとなった。
搬送ベルトでは①価格競争51%、②その他26%、③客先の要求20%、④販売ルート6%の順。具体的には「同業他社との価格競争」が40%と突出、「急ぎの納期」が18%となり、この2点で58%を占めた。
高圧ホースでは①その他49%、②価格競争31%、③客先の要求12%、④販売ルート8%の順。具体的には「急ぎの納期」が31%、「同業他社との価格競争」が24%となり、この2点で55%を占めた。
ゴムホースでは①その他45%、②価格競争32%、③客先の要求14%、④販売ルート10%の順。具体的には「同業他社との価格競争」が28%、「急ぎの納期」が17%、「需要が少なく取引単位が小口」が15%、「経費・手間がかかりすぎ」が13%となった。
樹脂ホースでは①価格競争41%、②その他33%、③販売ルート16%、④客先の要求8%の順。具体的には「同業他社との価格競争」が33%、「急ぎの納期」が19%、「メーカーの直販」が10%となった。
空圧チューブでは①価格競争40%、②その他35%で、この2点が突出し、③客先の要求20%、④販売ルート5%の順。具体的には「同業他社との価格競争」が35%、「急ぎの納期」が20%、「環境負荷資料要求」が15%となった。[/hidepost]
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