ニュースの焦点 一刻も早い信頼回復を

2015年03月30日

ゴムタイムス社

 東洋ゴム工業の子会社である東洋ゴム加工品が製造・販売した「高減衰ゴム系積層ゴム支承」の一部が、大臣認定を不正取得していたことが明らかになった。同社には問題の製品を早急に交換するとともに、社内体制を見直して再構築を図ることで、一刻も早い信頼回復を期待したい。

 不正が判明したのは3月13日。山本卓司社長が緊急会見を行うとともに、国交省に対象製品の認定取り下げを申請し受理された。

 当初、対象製品が使われているとされた建物の数は55棟で、そのうち3棟は東日本大震災で被災した仙台市にあるが、震災後に調査を行った管理会社などからは「建物の構造に損傷はない」との報告を受けていたという。しかし、安全性とともに重要なのは安心感であり、信頼を損なったのであれば、例え問題がなくても交換する必要がある。

 今回の問題の根にあるのは、対象製品を1人の技術者が担当していたことだ。どんなに優秀で能力があっても、プレッシャーに耐えられず、データに手を加えてしまう可能性はゼロではない。そうした時に、複数でチェックする体制があったなら、今回のような問題は起きなかったはずだ。

 同社はトーヨータイヤブランドで、ミニバンやハイト系と呼ばれる軽自動車などに対応したトランパス・シリーズをいちはやく製品化するなど、車種に合う自動車タイヤの製造で高い評価を得ている。また、米国向けのニットータイヤの公式フェ

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