【TPE特集】着色可能で成形が容易

2015年03月28日

ゴムタイムス社

 フィルム・シート需要拡大

 熱可塑性ポリウレタンエラストマー「TPU」は、加硫ゴムに近い特性を示し、汎用樹脂と同様の射出成形・押出成形・カレンダー加工・ブロー成形・インフレーション成形が可能。

 ゴムとプラスチックの中間領域を埋める材料として、高伸縮性・柔軟性・耐傷つき性を活かして、各産業分野で幅広く使用されている。需要分野は自動車部品・フィルム・ホース・チューブ・ベルト等の工業部品はじめ、スポーツ・レジャー分野、介護用エアーマット、オムツ用品、医療用手袋などの介護・医療分野と多岐にわたっている。

 射出成形用途にはギアー類、パッキン、ダストカバー、キャスター、ロール等の工業用部品、スキーブーツ、サッカー・ゴルフ・野球等のスポーツシューズ、時計バンドなどのスポーツ・レジャー製品部品がある。また、押出成形用途にはホース・チューブ類、電線ケーブル、丸ベルト、ベルトコンベヤ、キーボードシート、衣料などのシート、フィルム分野がある。

 カレンダー成形にはターボリング、ベルト、合成皮革、ブロー成形には各種容器類、フィルム製品がある。このほか、粉末特有のスラッシュ成形やホットメルト的加工が可能。

 年間出荷数量14年は2桁増

 メーカーはTPU単独生産設備を保有するディーアイシーバイエルポリマー、BASFジャパン、東ソー、大日精化工業の4社。

 TPU(熱可塑性ポリウレタン樹脂)工業会がこのほどまとめた2014年の熱可塑性ポリウレタンエラストマー「TPU」の総出荷実績は1万8547t、前年比6・6%の増加となった。

 国内出荷はコーティング向けが微減となったものの、射出成形用途、押出成形、その他向けが前年実績を大きく上回り、国内出荷全体では1万6179t、前年比11・7%増と2ケタ成長を見せた。一方、輸出は前年の反動もあり2368t、同18・6%減と2割近くの落ちこみをみせた。

 これまで2000t台で推移していたその他向けが3011t、同35・4%増と大きく伸長。多素材とのブレンドによるコンパウンドでの使用量が増えているものとみられる。

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