竹原ゴム加工(岐阜県中津川市、中島竜二社長)の上半期(15年8月期)は売上が昨年の10~11月は若干落ち込んだものの、新規アイテムなどが立ち上がり微増を確保。下半期および通期の見通しは前年比微増を見込んでいる。
売上増の主な要因は新規案件が立ち上がったほか、高付加価値がある特殊な練りが増えたため。また小分け計量の需要増加も牽引した。特殊な練りに関しては、特に管理が厳しい商品が増えており、自社に混練ラインを有しているが、末端ユーザーの要求が厳しいため利用するケースが多いとのこと。
直近の生産品種別は、EPT、NBR、シリコンゴムの3種類で半分以上を占めており、最近の傾向として、コンタミフリーなどの環境対策の特殊な配合で練るものも増えてきているという。「確かに汎用のシリコンは落ち込んでいるものの、特殊なシリコン、付加価値が高いフッ素、アクリルゴムなどが増加している」と中島社長と話す。
需要が伸びている小分け計量に関しては堅調に推移し、小分け計量専門の第2工場も順調に引き合いがあり、OEMの需要が増加。「お客様は汎用的なものは自社で、計りにくい特殊なものは預けるという区分けしている。今後も特殊なもののニーズは増加していく」と中島社長は分析する。
昨年9月に稼動を始めたタイ工場については問い合わせが多く、立ち上がる案件も徐々に増えてきている。実際にシリコンから稼動し始めているのが現状だ。今後の課題は、現地スタッフの人材育成。今後の量産体制に備えて、人材育成をしながら現地スタッフを増強する計画があるのこと。またタイ工場でも、国内同様に小分け計量の需要があり、小分け計量をタイ工場でも対応していく。タイ工場について、中島社長は「今後は現地スタッフの教育が重要となってくる。現地スタッフに任せても、日本人が練るのと同じようにできるシステムを構築し、今後の量産体制に備えていく」と語る。
今後の課題は、生産ラインの工程管理を強化していくこと。このため、工程管理の専属部署を立ち上げ、効率UPを目指し、生産管理を徹底化。その上で、顧客のどのような要望にも応えられるような体制にしていく計画だ。
また、誤発注をほぼパーフェクトに防げるウェブ受注は、昨年から一部のユーザーに対して進めてきたが、受注入力者の負荷が減り、ユーザーも使いやすいと評価が高いという。このため、ユーザーの声を反映させ、さらに利便性をさらに向上させていくとともに、利用者も5割から8割まで引き上げることを目指していく。さらに新規のユーザーにも使用できるように積極的に推進してくとしている。
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