ゴム連合の2015年春季生活改善とりくみは、3月末に設定された解決期限が過ぎ、要求書を提出した単組の9割近くが妥結した。
4月20日時点の回答状況によると、賃金について要求した49単組のうち、44単組が妥結。このうち妥結内容が昨年を上回ったのは22単組。要求に対して満額回答を得たのは13単組だった。
賃金改善については41単組が要求に盛り込み、昨年より多い24単組が何らかの改善を得た。少子化対策として家族手当の改善も見られた。
また、一時金については、要求した41単組のうち35単組が妥結。このうち妥結内容が昨年を上回ったのは16単組。要求に対して満額回答を得たのは18単組だった。
今年の春闘は、トヨタ自動車がベースアップを月額4000円とする回答を行ったのを皮切りに、大手企業で高水準での決着が相次いだ。連合のまとめによると、4月14日時点で回答のあった2587組合の平均賃上げ額は6670円で、上昇率は2・24%、前年同一組合比で711円上回った。
ゴム連合の山本昭二委員長は、「全体的な波及効果があり、中小組合でも定期昇給以外の賃金改善が得られた。全体として各単組が改善要求を行い、経営側も社会の流れを意識しつつ、格差拡大防止の観点からそれに応えてくれた」と、今年の春のとりくみの成果を評価した上で、「様々な課題がある中で経営側が誠意ある回答を出してきたのだから、そこをきちんと認識しなければならない。来期につなげるためにこの一年、組合として生産性の向上や体力づくりにどう取組むかが問われる」と述べた。
「春とり」はまもなく終わるが、2016年に向けたスタートはすでに切られている。[/hidepost]