信越化学工業は4月23日、同社の米国子会社であるシンテック社が、米国で塩化ビニル樹脂(塩ビ)の主原料の一つであるエチレンを生産する工場を建設すると発表した。
日本の化学会社が米国でエチレン工場を建設するのはこの投資が初めてとなる。
建設する工場のエチレンの生産能力は、年産50万トン。工場の立地は、シンテック社が既に所有しているルイジアナ州の工業用地で、2018年前半の完成を目指す。投資額は約14億ドルを見込み、シンテック社の自己資金で賄う。建設工事は主に東洋エンジニアリングが請負い、米国ルーマス社の技術を用いる。今回の工場建設は、エチレンの調達政策の一環で、塩ビの原料からの一貫生産の体制がより強固なものとなる。
シンテック社は、今後も米国の有利な原料事情を活かすとともに、世界の需要動向を的確に見極めた販売政策により、世界最大の塩化ビニル樹脂メーカーとしての地位を、さらに強固なものにしていくとしている。