東洋ゴム工業は24日、社外調査チームに依頼していた「免震積層ゴムの認定不適合」に関する中間調査報告を公表した。社外調査チームは、免震積層ゴムの性能検査において技術的根拠のないデータ処理が行われた問題行為の事実関係、発覚しなかった原因等を解明した。
報告書によると、2002年 6 月 17 日から 2011 年 10 月 25 日までの合計5 回の大臣認定取得については、開発担当者の一人が技術的根拠のない乖離値(又は乖離値の平均値)を記載し、 大臣認定を取得する等の問題行為を行ったことが明らかとなった。 また、2004 年 7 月から 2015 年 2 月までの 55 件の物件については、出荷する製品の免震性能が大臣認定の性能評価基準に適合しているかのように、社内担当者に対し説明し、実際には大臣認定の性能評価基準に適合していない製品 を出荷させる等の問題行為が確認された。
さらに2010 年 12 月から 2015 年 2 月までの間に出荷した 製品の性能検査では、最初の一人の担当者から引き継いだ後任の2人も、補正を名目として、技術的根拠のない恣意的な数値を実測値に乗じる方法を踏襲し、性能評価基準に適合していない製品を出荷に至らせていたと指摘。
また、偽装の疑いを認識したのは後任担当者の一人が実測値と性能検査の結果データの不整合を上司に報告した2013年夏頃とされ、2014年 5 月には東洋ゴム の代表取締役社長である現・代表取締役会長が、定例の近況報告において、免震積層ゴムの性能にばらつきがあり調査中である旨の報告を受けていたことが明らかとなった。
その後、現会長と現社長らが出席した昨年9月16日の会議で、出荷停止の準備をすること 、性能基準を満たさない疑いがあることを 国土交通省へ一報すること の方針が決定されたが、午後の会議で振動試験を 別の方式で行った場合の実測値を用いること に加え試験機の差異を解消するための補正を行えば、大臣認 定の性能評価基準に収まる旨の報告がなされたことにより、午前の方針が撤回され、