信越ポリマーの2015年3月期連結決算は、売上高が717億700万円で前期比6・5%増、営業利益が22億3100万円で同69・8%増、経常利益が28億6500万円で同72・3%増、当期純利益が17億7700万円で同146・9%増となった。
電子デバイス事業では、自動車関連入力デバイスを中心に順調な出荷が続き、全体として売上げは前年度を上回り、利益は大幅に伸長した。
入力デバイスは、自動車の電装化を背景に、自動車用キースイッチとタッチスイッチの出荷が順調に推移。また、薄型ノートパソコン用タッチパッドは、新機種向けの出荷が好調だった。ディスプレー関連デバイスは、視野角制御フィルム(VC―Film)の出荷がやや回復し、液晶接続用コネクターも堅調に推移した。コンポーネント関連製品は、国内スマートフォン向け防水製品の出荷が伸び悩み、売上げは前年度を下回った。
これらの結果、同事業の売上高は188億7500万円で同14・7%増、営業利益は9億1300万円(前年同期の3・7倍)となった。
精密成形品事業では、OA機器用部品や半導体関連容器などの出荷が堅調に推移し、全体として売上げは前年度を上回った。
OA機器用部品は、主要ユーザー向け製品の出荷が安定的に推移。シリコーンゴム成形品は、メディカル関連・電子部品関連・建材関連など全般に堅調な出荷が続き、売上げを伸ばした。半導体関連容器は、半導体業界の需要変動が例年より小幅で堅調だったことから、売上げは前年度を上回った。キャリアテープ関連製品は、自動車向けやスマートフォン向け電子部品などの旺盛な需要が続き、売上げは前年度を上回った。
これにより、同事業の売上高は286億4400万円で同8・5%増、営業利益は21億8800万円で同12・1%増となった。
住環境・生活資材事業では、国内の消費増税による消費の落ち込みなどの影響があったが、全体として売上げは前年度並みとなった。
ラッピングフィルムなど包装資材関連製品は、食品スーパーマーケット向けの出荷が伸び悩み、また、販売価格についても改定には至らなかった。機能性コンパウンドは、自動車用・電線用ともに堅調な出荷が続き、売上げを伸ばした。塩ビパイプ関連製品は、住宅着工戸数の低迷や消費増税の影響を受けたものの、拡販活動と販売価格改定の効果により、売上げは前年度並み。外装材関連製品は、需要低迷と価格競争などの影響により売上げは伸び悩んだ。
こうしたことから、同事業の売上高は184億3500万円で同0・3%減、営業損失は7億1200万円(前期は7億6800万円の損失)となった。
その他、工事関連では、首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件の受注を獲得したが、その他全体として、売上げは前年をわずかに下回った。
この結果、その他の売上高は57億5300万円で同3・7%減、営業損失は1億1500万円(前期は8600万円の損失)となった。
同社グループの関連市場である電気機器・半導体業界などでは、事業環境の先行きが不透明な状況が続いている。そのため、同社グループの業績予想を合理的に算定することが困難で、決算発表時点では、次期の連結業績予想は未定となった。同社は今後、連結業績予想の算定が可能となった時点で、速やかに開示するとしている。