昭和電工 フェノール樹脂事業をアイカ工業に譲渡

2015年04月30日

ゴムタイムス社

 昭和電工は4月27日、アイカ工業との間でフェノール樹脂事業に関する事業譲渡契約を締結したと発表した。

 同社の同事業に関しては、電子・電気材料、住宅設備、塗料など、さまざまな用途に、液状・塊状・粉状・粒状の各製品を幅広く顧客に提供している。

 工業用フェノール樹脂の国内市場は、この数年間10万トン弱の生産量で推移しており、今後も大きな成長を見込むことが難しいと予測している。

 一方、海外市場は中国・ASEAN地域の成長が期待される。

 このような状況下、将来的に同事業のさらなる成長を図るためには、同社が国内に保有する同事業の事業拡大には限りがあり、同社が有する技術的な優位性をもとに、海外への展開を図ることが求められている。

 他方、アイカ工業は化学合成・積層・化粧板加工・木材加工・エレクトロニクスの5つの技術をもとに、化成品・建装材・住器建材の分野で幅広く事業を展開している。

 また、国内のみならず2012年にダイネアケミカルズ社のアジア太平洋部門を子会社化することによりフェノール樹脂の海外製造拠点を有している。

 両社が有する事業の特長をあわせることで、同事業のさらなる成長が期待されることから、同社の同事業を譲渡するに至ったという。

 譲渡対象事業の売上高は、40億円(平成26年12月期実績)。

 同社は新会社を設立した上、譲渡対象事業を吸収分割の形式により新会社へ継承した後、新会社の株式の85%をアイカ工業に譲渡する予定。

 同社所有の残り15%の株式についても、 初回譲渡から2年を目途に譲渡する予定。

 その他詳細については、今後、同社とアイカ工業との間で協議の上、決定する予定。

 日程については、平成27年4月に最終合意契約締結し、平成27年5月に新会社設立、平成27年9月に事業譲渡実施・新会社営業開始の予定。

 同社は、この件に関する2015年12月期業績への影響は軽微であるとしている。

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