住友理工の2015年3月期連結決算は、米国及び中国における自動車用品事業が堅調に推移したこと、および円安による為替影響もあり、売上高は4009億3000万円(前期比8・6%増)となった。
営業利益については既存事業会社において堅調に推移したものの、昨年より連結している欧州・南米を中心に事業展開する子会社の業績回復の遅れ、およびのれん償却額の増加による影響が大きく、104億9200万円(同22・7%減)となった。
また、特別利益として投資有価証券売却益54億9100万円を、特別損失として独Anvis社における事業構造改善費用35億3800万円、また、上記市場悪化を受け、伊DYTECH社への投資回収が長期にわたるとの判断からDYTECH社ののれんを一時償却したことによる58億400万円などを計上した結果、税金等調整前当期純利益は32億7200万円(同73・0%減)となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額ならびに少数株主利益を差し引いた連結当期純損失は44億2900万円(前期は当期純利益40億7600万円)となった。
セグメント別の自動車用品では、国内市場で自動車生産台数減により売上が減少したものの、海外市場では、好調な北米や、景気減速感はあるものの成長を続ける中国で自動車販売が増加したことにより、セグメント間消去前の売上高は3442億500万円(同10・1%増)と前期の実績を上回った。一方で欧州市場の低迷や南米市場の急落、ブラジルやロシアなどの新興国の通貨安、国内やアジア地域での市場の伸び悩み等から、営業利益は79億2400万円(同17・8%減)となった。
一般産業用品では、産業用ゴム製品分野は、鉄道車両用防振ゴムなどの販売が好調だったものの、建設・土木機械向け高圧ホースは、新興国でのインフラ需要の低迷などにより、前期実績を下回った。プリンター向け機能部品など事務機器向け精密部品分野でも、国内を中心に高機能品の需要が伸び悩むなどした結果、セグメント間消去前の売上高は681億2000万円(同0・1%減)、営業利益は25億6800万円(同34・7%減)となった。
次期業績予想については、売上高4200億円、営業利益160億円、経常利益140億円、当期純利益80億円を見込んでいる。なお、同社は16年3月期第1四半期連結会計期間より、グループ内の会計処理を統一することで経営効率の向上等を図るため、日本基準に替えて国際会計基準(IFRS)を導入すると決定した。そのため、日本基準を採用した前期実績との対比(増減率)は表示していない。