住友理工は5月11日、燃料電池自動車(FCV)に搭載する燃料電池(FC)部材の安定的な供給体制を確立するため、FC部材製造会社「住理工FCシール」を設立したと発表した。
新会社は愛知県小牧市東三丁目1番地に所在。事業内容は燃料電池(FC)部材の製造・販売。資本金は4億9500万円。出資比率は住友理工が100%。設立は2015年4月。代表者は代表取締役社長 矢野勝久氏(住友理工執行役員)。従業員数は約80名(2015年度)。
同社は、コアコンピタンスである「高分子材料技術」を駆使してFCスタック向けのゴム製シール部材「セル用ガスケット」を開発し、2014年11月に量産を開始した。この製品は、トヨタ自動車が同年12月に発売したFCV「MIRAI」に採用されている。
環境に配慮した社会づくりが求められる中、水素を空気中の酸素と化学反応させて自らが発電して走るFCVは、低環境負荷で地球にやさしく、社会課題を解決する次世代の自動車として大きな注目と期待が寄せられている。今後大きな成長が見込まれる分野であり、FCVの心臓部であるFC向けの基幹部品として、同社製品の安定的な量産と供給を両立するため、これまで当社FC製造部門で担ってきた生産機能を新会社に集約し、事業の拡大と効率化を図る。なお、開発機能についてはこれまで通り、同社内に残し、より競争力のある製品の開発に注力する。
同社は、住友理工グループ経営理念として「地球環境に配慮し、よりよい社会環境づくりに貢献する」という項目を掲げている。低炭素社会の実現を目指し、人と環境にやさしいクルマ社会の実現に尽力していく方針。