東洋ゴムの1~3月期 タイヤ事業は増収増益に

2015年05月13日

ゴムタイムス社

 免震ゴム補償で特損計上

 東洋ゴム工業の2015年12月期第1四半期連結決算は売上高は985億8300万円、前年同期比0・1%減、営業利益は126億800万円、同13・3%増となったが、免震ゴムの製品補償引当金繰入額140億円を特別損 失として計上したことにより、四半期純損失は 30億6300万円(前年同期90億8100万円の利益)となった。

 国内タイヤ事業およびダイバーテック事業が伸び悩んだ 一方、海外タイヤ事業が好調に推移したことにより、営業利益及び経常利益で増益となった。

 タイヤ事業の売上高は758億 7000万円、同0・8%増となり、営業利益は117億1300万円、同16・6%増となった。 国内市販用タイヤは、前年の消費税増税前駆け込み 需要の反動により、売上高は対前年を下回ったが、 北米市販用タイヤや新車用タイヤにおいて、高付加価値商品であるSUV用タイヤの販売が好調に推移 した。

 ダイバーテック事業の売上高は198億4900万円、同4・3%減となり、営業利益は6億7700万円、同12・3%減の減収減益となった。自動車用防振ゴム、自動車用シートクッションでは海外 市場の防振ゴムが堅調に推移したため、全体の売上高は 前年同期並みとなるものの、断熱・防水資材分野並びに、 産業・建築資材分野の販売が低迷した。

 免震ゴムの製品補償引当金(製品代金 ・改修工事費用 ・構造再計算費用 ・諸経費 ・代替品開発費用 等) については、対処が必要となる全154棟で交換を想定する約3000基をベースに試算。また、改修方法を精査の結果、判明する追加工事費用、 顧客との個別折衝によるもの等、 現時点で合理的な算出根拠が持てないもの等、今後発生する費用がある場合には、 第2四半期以降の対処進行状況等によって、追加で製品補償引当金を計上する 可能性があるとしている。

 第2四半期累計期間の売上高については、算出根拠の錯誤を訂正した結果、前回発表時(平成 27 年2月12 日)の予想を下回る見込みとなったが、通期の売上高については、前回発表時の4250億円を据え置き、通期当期純利益については、これまでの280億円から190億円に下方修正した。

 また、北米市場で高付加価値商品であるSUV用タイヤの販売が好調に推移 していることで、同社は米国タイヤ生産子会社の第4期能力増強(タイヤ生産棟増設、 タイヤ倉庫増設)を進めていたが、2015年6月稼働予定を前倒し、4月から生産を開始したことを明らかにした。

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