アキレスの15年3月期連結決算は、売上高が890億5600万円で前期比1・2%増、営業利益が9億1300万円で同53・5%減、経常利益が14億8000万円で同41・9%減、当期純利益が12億8700万円で同25・8%減と、増収減益となった。
同社グループは企業価値の増大を目指して、ブランド力・魅力ある商品創りと拡販に注力し、省エネルギー関連製品、環境対応製品、スポーツ健康関連製品など成長分野と、インフラ整備、防災関連分野およびグローバル化へと積極的な事業展開を推進するとともに徹底したコストダウンに取り組んできた。
シューズ事業では、ジュニアスポーツシューズのトップブランド「瞬足」は、昨年4月に実施された消費税率引き上げにともなう駆け込み需要の反動による影響と、天候不順による影響のため、主力のランニングカテゴリーが苦戦し、前年売上を下回った。高機能スーパークッション「ソルボ」を搭載した「アキレス・ソルボ」は紳士、婦人向けカテゴリーともに、新製品が伸長し、前年売上を上回った。シューズ事業全体では、20km歩けるパンプス「ALL DAY Walk」の好調もあったものの、売上高が198億5000万円で同0・1%増と前年並みの売上となり、営業利益は8000万円で同89・6%減となった。
プラスチック事業では、車輌内装用資材はラミネート製品の新規受注と国内・北中米向けの堅調な受注により、前年売上を上回った。フイルムの国内事業は産業用が不振だったが、一般用途でカバーして前年売上を上回り、また海外向けは、窓用および工業用が好調で前年売上を大きく上回った。北米事業は、工業用、医療用が苦戦し、前年売上を下回った。農業分野は、関東地区の雪害後の復興遅れ等が影響し前年売上を下回った。建装資材は、消費税率引き上げ後の住宅関連市場の冷え込みの影響を受け、床材、壁材ともに前年売上を下回った。引布商品は、輸出用のボートおよび原反が好調に推移したが、国内向けの災害対策用レスキューボートおよびエアーテントが苦戦し、全体では前年売上を下回った。この結果、プラスチック事業の売上高は399億9600万円で同0・1%増、営業利益16億9000万円で同1・5%増となった。
産業資材事業では、ウレタンは寝具・包装用など主力商品が好調に推移し、また車輌用も好調を維持し前年売上を上回った。断熱資材は、パネル製品が農畜産向け、システム製品が工事用原液で拡販できたが、ボード製品、スチレン製品は住宅関連市場の冷え込みの影響を受け苦戦し、全体として前年売上を下回った。静電気対策品は、半導体分野を中心にスマートフォン向け需要増と海外顧客向けの拡大により、前年売上を上回った。なお、タイ国子会社の固定資産について減損損失を計上した結果、産業資材事業の売上高は292億900万円で同3・5%増、営業利益12億7700万円で同23・3%減となった。
次期(通期)の連結業績予想としては、売上高920億円(同3・3%増)、営業利益12億円(同31・4%増)、経常利益18億5000万円(同25・0%増)、当期純利益20億円(同55・3%増)を見込んでいる。