ニチリンの15年12月期第1四半期決算は、売上高が125億8000万円で前年同期比4・5%増、営業利益は12億3000万円で同0・5%増、経常利益は12億1800万円で同3・4%増となり、増収増益となった。四半期純利益は、5億6900万円で同20・8%減。
同社グループの主要事業分野である自動車業界において、国内自動車市場は消費税率引き上げによる販売台数の減少にようやく歯止めがかかりつつあるが、回復までには至っていない。15年第1四半期の国内四輪車販売台数は、前年同期比14・4%減の157万台、四輪車輸出台数は、同2・3%増の110万台、国内四輪車生産台数は、同6・9%減の248万台となった。一方、国内乗用車メーカー8社の海外生産台数は、北米市場における好調さを背景に同2・1%増の428万台となった。
セグメント別の日本は、消費税率引き上げ前の駆け込み需要があった前年同期に比べ、国内販売では落ち込みが大きかった一方で、海外販売では円安の影響もあり堅調に推移した。売上高は71億2600万円(前年同期は73億7800万円)、営業利益は4億2300万円(同3億7400万円)となった。
北米は寒波による一時的な影響があったものの、自動車市場は好調に推移しており、売上高は33億2900万円(同28億7000万円)、営業利益は西海岸港湾ストライキによる輸送費の増加等もあり、1億1700万円(同1億4500万円)となった。
中国は景気減速の影響が自動車市場に広がりつつあり、日系メーカーにも影響が生じることとなった。売上高は21億1000万円(同21億8900万円)、営業利益は1億6600万円(同2億3500万円)となった。
アジアでは、タイにおいては政治的混乱により四輪車市場の不振が続いていたが、昨年第4四半期以降ようやく復調しつつある。また、その他地域でも内需が好調に推移しており、売上高は29億8300万円(同23億7000万円)、営業利益は6億7100万円(同4億6700万円)となった。
欧州は、欧州メーカーからの受注増により堅調に推移しており、売上高は7億300万円(同6億8400万円)、営業利益は1200万円(同3400万円)となった。
通期の連結業績予想については、期初の予想に変更はなく、売上高500億円、前期比5・0%増、営業利益48億円、同6・5%増、経常利益50億円、同0・3%減、当期純利益27億円、同3・5%増を見込んでいる。