電気化学工業の15年3月期 営業利益は2桁増に

2015年05月15日

ゴムタイムス社

 電子・半導体部品が拡大

 電気化学工業の2015年3月期連結決算は電子・先端プロダクツ製品の出荷増、円安の進行、原燃料の価格下落がプラス要因となり、売上高は過去最高の3839億7800万円、前期比1・9%増、営業利益240億4700万円、同13・3%増の増収増益となった。当期純利益は事業撤退に伴う固定資産売却益を特別損益に計上したこともあり、過去最高の190億2100万円、同40・1%増となった。

 エラストマー・機能樹脂部門では、CR(クロロプレンゴム)が円安による手取り額が増加、シンガポールのスチレン系製品の販売数量増加があり、スチレンモノマーの定修費用増、期前半の高いコストの在庫のマイナス要因を差引き、売上高は1663億円、同0・1%減、営業利益は44億円、同10%増となった。インフラ・無機材料部門では特殊混和材の販売数量が増加し増収となったが、セメントや肥料及び耐火物、鉄鋼用材料の販売が振るわず、売上高478億円、同3・7%%減、営業利益27億円、同32・5%減の減収減益となった。

 電子・先端プロダクツ部門は電子部品・半導体の搬送用部材である高機能フィルムやLED用サイアロン蛍光体はじめ、電子回路基板及び高信頼性放熱プレート、半導体封止材向け球状溶融シリカフィラーなどの販売が伸び、売上高483億円、同14・8%増、営業利益64億円、同137%増の大幅増益となった。

 生活・環境プロダクツ部門では工業用テープや合繊かつら用原糸は販売数量増および手取り額が増加、食品包材シートや加工品の販売が堅調に推移。医薬品ではインフルエンザワクチンや試薬の販売が増加し、売上高802億円、同2・8%増、営業利益92億円、同3・2%減となった。

 次期業績予想については、為替は118円/㌦、国産ナフサ価格は5万2000円/klを想定し、世界経済の景気回復がより明確になるとし、売上高はスチレンモノマー・インフラ関連製品の出荷増により3900億円、営業利益は2007年度の過去最高益を上回る300億円、経常利益も2006年度の過去最高を更新する270億円の増収増益を見込んでいる。設備投資額は240億円を計画。

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