J・D・パワー アジア・パシフィックは5月14日、今年で12回目の実施となる、日本冬用タイヤ顧客満足度調査の結果を発表した。
ブランド別総合満足度ランキングでは、対象となった10ブランドのうち、ミシュランが614ポイントで第1位となり、本調査を開始した2004年以来12年連続の顧客満足度第1位となった。ミシュランはすべてのファクターでトップとなっている。第2位はブリヂストンで、総合満足度スコアは575ポイントである。ブリヂストンはすべてのファクターで業界平均以上の満足度となっている。
同調査では冬用タイヤに関する総合的な顧客満足度の評価を、6つのファクターに基づいて算出し、それらは影響度順に「凍結路面でのグリップ/ハンドリング性能」(22%)、「見映え」(18%)、「乗り心地/静粛性」(27%)、「耐摩耗性能」(16%)、「積雪路面でのグリップ/ハンドリング性能」(14%)、「ドライ/ウェット路面でのグリップ/ハンドリング性能」(13%)となっている(カッコ内は総合的な顧客満足度に対する影響度)。各ファクターにおける合計17の詳細項目に対する顧客の評価をもとに、総合満足度スコアを1000ポイント満点で算出。2015年の総合満足度の業界平均スコアは550ポイントとなり、2014年の551ポイントより低下した。
利用シーズン数と顧客満足度の傾向を業界平均でみると、1シーズン目は563ポイントだが、利用2シーズン目になると20ポイント低下の543ポイントに、同様に3シーズン目ではさらに7ポイント低下し、536ポイントとなった。
ファクターレベルでみると、特に1シーズンと2シーズンとの差において、積雪におけるグリップハンドリング性能で23ポイント、凍結で21ポイント、ドライウェット路面で20ポイントとそれぞれ低下している。
冬用タイヤを購入する際の店員の役割は大きい。購入時の参考情報(複数回答)をみると、「店員の意見」が最も高く、44%にのぼる。さらに商品選択理由(複数回答)をみると、「店員の勧めで」と答えた割合が30%を占め、「価格が安かった/割引サービスがあった」の34%に次いで高い割合となっている。
顧客満足度とロイヤルティの関係をみると、満足度が高い顧客層(総合満足度800ポイント以上)では、次回も同じメーカーの冬用タイヤを購入する意向が94%、他人への推奨意向は88%に達するが、反対に満足度が低い顧客層(400ポイント未満)の場合では、それぞれ58%、41%にとどまる。
同社のオートモーティブ部門執行役員である木本卓氏は「昨年と比べて、今年の調査では、顧客満足度の平均値より上位のメーカーと下位メーカーとの差が縮小傾向にある。各メーカー間の競争が激しくなっている中で差別化をどのようにしていくかが重要である」と述べている。
同調査は、自家用の乗用車(軽自動車を含む)のスタッドレスタイヤを2012年5月以降2015年2月までの期間に新品で購入し、現在も使用している一般消費者7856人の回答を基にしたもの。調査は2015年2月下旬から3月上旬にかけてインターネットを利用して実施された。