独ランクセスは5月18日、ラインエネルギー車と共同でタイヤ実証テストを実施したと発表した。
同実証テストでは、「エコタイヤ」を装着した車両の燃費は、都市圏の走行において、最大7%(平均約4・1%)低減できるため、車両を保有する企業にとっては年間数千ユーロのコスト削減が可能となることが証明された。また、これらの高性能タイヤ(EUのタイヤラベリング制度でC等級以上)は、標準タイヤと比べて、車両のCO2排出量を大幅に低減する。
例として、ケルン市で登録されている全乗用車両44万2013台(ディーゼル車およびガソリン車)が、転がり抵抗F等級のタイヤからB等級の「エコタイヤ」に切り替えることで、年間1980万リットルの燃費削減と約4万8000トンのCO2排出量低減が可能となる(1台あたり平均1万4000キロ走行する場合)。これは、ケル
ン市を走行する1万8000台以上の車両のCO2排出量に相当する。
車両を保有する企業が「エコタイヤ」に切り替えることで、経済的効果を最大限に享受できることを示すもう一つの事例として、EUのタイヤラベリング制度で転がり抵抗F等級のタイヤを装着した総重量3・5トン未満の車両およびトラック総計650台を保有する会社は、B等級の「エコタイヤ」に切り替えるだけで燃費を年間約4万4500ユーロ相当節減することが可能という点がある(ディーゼル燃料費1リットルにつき1・35ユーロ、1台あたり1万4000キロの走行距離と仮定した場合)。CO2排出量は年間約87トンの低減となる。
これを受け、ラインエネルギー社は、保有車両を順次「エコタイヤ」に切り替えることを決定した。第1段階は、標準タイヤの磨耗による定期的なタイヤ交換として、約130台を「エコタイヤ」に切り替え、残りの全車両は、各サイズの「エコタイヤ」が発売され次第、切り替えを行う。
今回行われた実験では、ラインエネルギー社が保有する同仕様の6台の業務用車両の燃費を、半年間にわたって実際の条件下で調査した。「エコタイヤ」の潜在的な節減を測定するため、「標準タイヤ」との性能比較が行われた。テスト期間中、重量約2トンのトラックが、ケルン市の同様の区域を走行した。運転手、積載重量、燃料補給方法は常に同じで、このテスト期間中の計6台のトラックの総走行距離は約3万7000kmとなった。
テスト結果の妥当性を得るため、半年間のテストは2つの段階を経て実施された。第1段階の最初の3ヵ月間は、グループ1の3台に「エコタイヤ」(EUのタイヤラベリング制度で転がり抵抗B等級に分類)を装着し、グループ2の3台は「標準タイヤ」(EUのタイヤラベリング制度で転がり抵抗F等級に分類)を装着。第2段階である後半の3ヵ月では各グループの装着したタイヤが入れ替えられた。その結果、「エコタイヤ」装着のトラックは、1万キロあたり、燃費は最大6・96%の削減、CO2排出量は最大155kgの低減となった。