先日、日本免震構造協会が記者懇談会を実施した折、話題は3月中旬に発覚した東洋ゴム化工品の免震ゴム装置不適合問題に及んだ。
この問題に対し、同協会では「免震支承対応委員会」を設置し、学術的な問題も含めて、今後さまざまな問題に対応していくとしている。
免震ゴムの「指定性能評価機関」である同協会が今回の不適合を結果的に許した点については、評価の対象であるデータ自体に瑕疵があったことが要因だが、その他にも大型の免震支承を実際の地震速度で動かせる試験装置が、国内に存在しないことが課題として浮かび上がった。試験装置があれば、審査時や出荷時に製品の抜き取り検査が可能となり、偽装が入り込む余地は格段に減るだろう。
同協会は、この事件をきっかけにして、国に試験装置の建設を働きかけているという。現在、米国のカリフォルニア大学