横浜ゴムは5月28日、SUV用タイヤの新製品「ジオランダ― H/T G056」の試乗会を開催した。
最初に、池田均広報部長があいさつを行い、「9年ぶりのフルモデルチェンジとなる。オンロードを走るSUV車両も増えてきており、H/T(ハイウェイテレーンタイヤ)は時代の流れに沿った製品。全ての性能で従来品を上回った自信作ですので、性能を体感してもらいたい」などと新製品を紹介した。
試乗会前には、新製品の商品企画と設計について、担当者が説明を行った。
まず開発の背景として、SUV型車両は増加傾向にあり、今回ターゲットとなる中・大型SUV車両もリーマンショック後の落ち込みから回復してきているとし、トヨタ・ランクル70の再販もあり、今後も同市場は拡大が予想されるとしている。
独自に調査したSUVユーザーに対する調査で、中・大型SUV車両ながら、ほとんどオンロードでの走行がメインのユーザーは、摩耗性能、乗り心地などの快適性を重視している声が多かったことを挙げた。
こうした声に応え、「ジオランダ― H/T G056」は、耐摩耗性・耐久性、静粛性・快適性、ハンドリング性能などを追求し、都市やハイウェイでの快適な走りを発揮する真のハイウェイテレーンタイヤを目指して開発されたと説明した。
トレッドパターンには中・大型4×4/SUVの特性に合わせてチューニングした専用パターンを開発。コンパウンドには特性の異なる2つのポリマーに、ウェット性能を高めるシリカと独自開発のオレンジオイルを配合した「マルチコンビネーションコンパウンド」を採用した。
さらにレーンチェンジやコーナリング時にもしっかりとした安定感とダイレクトなハンドリング性能を発揮するよう構造とプロファイルを見直した。これにより、従来品に比べ、耐摩耗性を21%向上、パターンノイズを13%低減するとともに、レーンチェンジ時の操縦安定性においてハンドル舵角で4%、ヨーレートで13%改善していると説明した。
続いて、試乗会が行われた。
ランドクルーザープラドに従来品と新製品をそれぞれ装着し、ターンパイク箱根を走行し、タイヤの評価を行った。
まず、驚いたのが静粛性だ。
路面が悪路に変わった瞬間が分からないほど、ロードノイズが抑えられており、特に2列目に座った時に、性能の差が大きく感じられた。
パターンノイズは、オフロード用タイヤでは大きくなりがちだが、従来品と比較して、かなり低減されていた。数値では13%の低減だが、車内空間の広いSUV車両はノイズが反響するため、それ以上の静かさを感じた。
凹凸に対しての乗り心地もマイルドになっているだけでなく、レーンチェンジ時の車体の揺れに対する収まりの速さ、ハンドルを切り始めた時の応答性が早くなるなど、操縦安定性の向上も実感した。
車両が重いSUV車両はタイヤの摩耗が早くなることが多いが、これだけ性能を上げながら、耐摩耗性については従来比21%も向上させており、高い次元で性能をクロスさせたタイヤだと感じた。
「ジオランダ―」シリーズは上記2製品に加えて、オールラウンド用「ジオランダ― A/T―S」、オフロード用「ジオランダ― M/T+」、スタッドレスタイヤ「ジオランダ― I/T―S」をラインアップしており、グローバル製品として世界各地で販売している。
発売サイズは285/50R20 112V~215/80R15 102Sの14サイズ。価格はオープン。