JSRは6月10日、同社の100%子会社で光造形3Dプリンターや光造形用樹脂を手掛けるディーメックが、国産機では最大の造形サイズを可能とする光造形3Dプリンターアキュラス BA―85Sの販売を開始したと発表した。
6月24~26日にかけて東京ビッグサイトで開催される第26回設計・製造ソリューション展にて初めて展示される。
同プリンターはこれまでディーメックが開発・販売してきたアキュラスシリーズの最新機。造形エリアは、国産機では最大の幅850mm×奥行650mm×深さ300~500mmを実現した。
自動車部品や家電部品などへ展開の幅が広がるほか、小型の造形品であれば一度に生産できる個数を増やせるため生産性向上も期待できる。
さらに、2007年までディーメックで販売していた装置の更新需要に対する市場の要望にも応えられるモデルで、国産機ならではの利用のしやすさを意識した仕様、設計となっている。
プリンター本体のサイズはコンパクトに抑え、造形精度を決めるレーザー出力や照射速度などのパラメーターを利用者がニーズに合わせて設定でき、大型造形向けでありながら従来の中型向けBA―45Sと変わらない高精細な造形を行える。
造形用の光硬化性樹脂としては、同社が取りそろえる高靱性、高耐熱などの特性を持った樹脂を使用できる。
同社では、3Dプリンティングなどの成形技術の市場は今後、「ラピッド・プロトタイピング」から、実際の製品を製造する「ラピッド・マニュファクチャリング」の拡大へと、大きく成長していくとみており、光造形システム、光成形システム、光造形樹脂など、幅広い製品と技術を提供し、応用が拡がる3次元造形のニーズに応えていく方針。