信越化学 フォトマスクブランクス工場を越前市に新設へ

2015年06月19日

ゴムタイムス社

 信越化学工業は6月18日、フォトマスクブランクス事業の拡大を目指し、新たに福井県越前市に工場を建設すると発表した。

 工場用地は取得しており、来年末までの完成と稼働開始を目指す。投資金額は約70億円の見込み。

 今回の新工場建設の目的の一つは、急拡大している最先端のフォトマスクブランクスの需要を着実に取り込んでいくこと。さらに生産拠点の分散化も狙い。

 同社はフォトマスクブランクスを09年に事業化し、直江津工場(新潟県)で生産を開始して以来、生産拡大を続けている。天災などが発生しても顧客への供給責任を果たすため、2つの生産拠点を持つことでリスクの分散を図ることにした。

 新工場の建設により、信越化学のフォトマスクブランクスの生産能力は現在から2割増えるが、将来的には倍増を目指す。

 半導体の製造工程で、シリコンウエハーの上に回路を描画する際、フォトマスクが回路の原版として使われる。その材料となるのがフォトマスクブランクス。

 同社ではこれまで、半導体の製造工程で用いられる様々な材料の研究開発に注力してきた。その代表例が感光性の樹脂であるフォトレジストで、集積回路をウエハーに焼き付ける露光工程で使われている。

 フォトマスクブランクスも、半導体製造に欠かせない材料として、研究開発から製品化した一つで、需要家のニーズに合った最先端のフォトマスクブランクスの開発を進めてきた。

 その結果、高精度の微細加工が実現できるフォトマスクブランクスの開発に成功。同社のこの最先端のフォトマスクブランクスが、世界の標準品として認められている。

 半導体デバイスの生産量の増加や微細化の進展により、フォトマスクブランクスの需要は増加している。同社は、今回の新工場の建設によりフォトマスクブランクスの需要の伸びをとらえ、事業をさらに伸ばしていく方針だ。

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