信越化学 中国で光ファイバー用材料の合弁会社設立へ

2015年06月25日

ゴムタイムス社

 信越化学工業は6月23日、中国最大の光ファイバーメーカーである「ヤンツー・オプティカル・ファイバー・アンド・ケーブル・ジョイント・ストック(YOFC社)」と、中国湖北省に光ファイバー用プリフォームの工場を建設することで合意し、同日契約を交わしたと発表した。

 工場建設にあたり、同社とYOFC社は光ファイバー用プリフォームの製造・販売を手がける合弁会社を設立する。合弁会社の資本比率は、同社が51%、YOFC社が49%で、資本金は80億円。総投資額は約125億円を見込んでいる。

 新合弁会社の社名は「長飛信越光棒有限公司」で、8月の設立を予定している。生産能力は光ファイバー換算で年1500万km。

 工場は湖北省潜江市の工業団地に立地し、来年末に稼動を開始する予定。新工場の稼働により、同社の光ファイバー用プリフォームの生産能力は、現在から約4割増える。

 同社は1983年から光ファイバープリフォームの生産販売を開始。現在、主力工場である鹿島工場(茨城県)から国内外の顧客に供給を行っている。

 2010年には、中国で拡大する需要に対応するため、同国の「ジアンスー・ファースン・ホンシェン・グループ」、オランダの「TKHグループ」との3社合弁で、江蘇省に光ファイバープリフォームの生産販売会社を設立。12年に生産を開始し、その後も順調に生産量を伸ばしている。

 中国では、社会基盤の整備の進展に伴う通信データ量の増加により、光ファイバーの需要が大きく拡大している。中国向けの光ファイバー用プリフォームの販売強化に取り組んでいる同社と、光ファイバー・光ケーブルの生産・販売を拡大したいYOFC社との意向が一致し、今回の合弁会社の設立に至った。

 中国で生産されている光ファイバーは、同国だけでなく世界へ供給され、市場規模は世界市場のおよそ5割を占めており、さらなる市場の伸びが見込まれている。同社は今後も市場の拡大に応じた事業展開を推進していく。

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