タイヤリサイクルセンター大阪視察
ブリヂストンは6月25日、更生タイヤ工場「ブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪」を報道陣に公開した。
同センターは、施設内にバンダグ方式(プレキュアトレッド)によるリトレッド工場と破砕処理施設を有する廃タイヤ中間処理工場を備える。
使用済みタイヤの調達から更生、処理まで一貫して行う施設で、生産能力は月産2700本と国内最大規模。
輸送業界では、燃料費の高騰、環境面での規制強化、安全点検の義務化、若手を中心とした人材不足など厳しい経営環境が大きな課題となっている。
同社では、こうした課題を解決するために、経費削減のためのリトレッドタイヤ、環境に対応した低燃費タイヤ、安全運行のためのメンテナンスを組み合わせたソリューションビジネスとして「エコバリューパック」を輸送業者に提案している。
燃料費の高騰には、低燃費タイヤエコピアの使用により、燃費改善によるコスト削減が可能となる。
また、リドレッドタイヤは新品タイヤの7割程の価格で購入できるので、タイヤ購入コストの削減につながる。
メンテナンスでは内圧管理や取り外し時期管理など5つのメンテナンス項目の実施により、安全運行のための最適なメンテナンスを提供している。
エコバリューパックは、顧客の要望に合わせ、二つのプランを提案している。一つは、タイヤメンテナンスのみを受託する「タイヤメンテナンスプラン」、もう一つは、タイヤ購入費用・工賃+タイヤメンテナンスを一括受託する「トータルパッケージプラン」(TPP)だ。
TPPの最大の特徴は、タイヤの所有権がブリヂストンにあること。顧客にはタイヤを貸出す形となり、タイヤ価格、メンテナンス費用などは明かさずに、TPPを商品として販売する。
価格は、顧客の荷物、走行ルート、年間の走行距離などの使用条件を検証し、新品タイヤの提案、メンテナンスの頻度、リトレッドの交換時期などを計算して決定する。
顧客は総費用を毎月定額で支払いをする。
タイヤはスタッドレスタイヤの履き替え時期に、一気にコストがかかるため、安定した資金繰りが難しい面があったが、月次定額の支払いにより、経費が平準化されるため、顧客は安定した経営をすることができるメリットがある。
「経営陣に特に喜ばれるプランとなっている」(糸永裕一生産財販売統括本部ソリューション営業推進本部長)
ブリヂストンは2008年からエコバリューパックの展開を開始。2013年1月にTPPセンターを立ち上げたことにより、急速に契約数が増加した。
エコバリューパックの契約台数は12万台。その中で「トータルパッケージプラン」の契約台数はまだ1万台だが、今後は「トータルパッケージプラン」への切り替えを推進していく方針だ。
(工場視察はゴムタイムスWEBにて掲載)