積水化学 タイの樹脂2工場が本格稼働へ

2015年07月01日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は6月30日、タイ東南部マプタプットのヘマラートイースタン工業団地内で建設を進めてきた塩素化塩化ビニル(CPVC)樹脂工場と、CPVCコンパウンド工場が竣工し、同月本格稼働したと発表した。

 CPVCコンパウンドを「デュラストリーム」ブランドとして販売するとともに、新たに同社が開発した環境配慮型コンパウンド製品により、建築需要が拡大するインドや中東に、主に耐熱配管材の原料としての拡販を図っていく。

 CPVC樹脂は、塩素を付加した特殊な塩化ビニル(PVC)樹脂で、主に、耐熱性が必要とされる給湯用・工業用・スプリンクラー用の配管材などの原料として用いられている。

 このところインドなどアジアや中東では、住宅や工場などの建築物に使用されている配管材で、金属系からCPVC製への代替が進んでいる。さらに、経済成長に伴う建築需要も旺盛となっていることから、CPVC樹脂の需要が毎年拡大し、今後も堅調な伸びが期待されている。

 同社は2013年2月、タイにCPVC樹脂生産合弁会社を設立することでルーブリゾール社と合意し、合弁による樹脂工場新設を進めてきた。

 また、同社はグループ会社の徳山積水工業で、13年7月にCPVC樹脂の生産能力を年3・3万tから4万tへ増強。加えて、徳山積水では、配合設計技術の研究を進め、CPVCコンパウンドの品質向上と競争力強化に努めてきた。

 さらに、同社は独自に、CPVC樹脂からコンパウンドまでの一貫生産による高品質とコスト競争力の実現を目指し、CPVCコンパウンドの生産・販売会社をタイに設立し、コンパウンド工場の新設とともに、販売体制の構築を進めてきた。

 同社は今回のタイ工場立ち上げを機に、今後、同社のコンパウンド製品を「デュラストリーム」ブランドとしてグローバル展開していく方針。

 CPVC樹脂生産会社は、社名が「エスアンドエル・スペシャルティ・ ポリマーズ」。13年4月10日設立。資本金は17億タイバーツ。(出資比率:積水化学51%、「ルーブリゾール・アドバンスト・マテリアルズ」49%)。代表者は取締役CEOの江口吉彦氏。生産能力は3万t/年(16年に4万t/年に増産予定。同敷地で6万t程度まで増設可能)。従業員数は59人。

 CPVCコンパウンド生産・販売会社は、社名が「セキスイ・スペシャルティ・ケミカルズ・タイランド」。13年12月19日設立。資本金は4億7600万タイバーツ(出資比率は積水化学90%、徳山積水10%)。代表者は取締役社長の安永俊也氏。生産能力は2・4万t/年。従業員数は69人。

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