本紙がまとめたゴム関連企業30社の2014年度の設備投資実績によると、投資額は合計で7108億9700万円となり、前年度に比べ16・2%増となった。今後も需要の伸びが見込まれる海外で引き続き積極的に投資を行ったことに加え、これまで手控えてきた国内での設備更新を実施したことなどにより、2ケタの伸びとなっている。
業種別にみると、タイヤ4社は合計4551億2500万円で前年度比15・3%増。各社とも依然として海外で積極投資を行っており、いずれも前年度を上回る結果となった。
最も投資額が多かったのはブリヂストンの2963億円(同7・8%増)。タイヤ部門では2683億円を投資し、米国・タイでの建設・鉱山車両用ラジアルタイヤの新工場、ベトナム・ロシアでの乗用車用ラジアルタイヤの新工場などの建設を進めた。多角化部門では、中国での既存工場の生産能力増強などに280億円を投じている。
なお、同社は15年度も14年度を17%上回る3470億円の設備投資を計画しており、タイヤに3150億円(前年度比17%増)、多角化には320億円(同14%増)を費やす予定だ。
一方、前年度からの伸びが最も大きかったのは、横浜ゴムの65・1%増(553億円)。タイヤ事業では、国内工場で生産能力を最大限活用するための投資など、海外子会社では北米のトラック・バス用タイヤ製造設備の新設、インド工場の新設、中国・フィリピン工場での設備拡張などに505億円を投入した。工業品事業では、35億円を使って長野新工場建設などによる生産性の向上や品質向上などを図っている。
ベルト3社は合計98億500万円で同8・6%減。ニッタが120・5%増と前年実績の倍以上の投資を行った一方、バンドー化学と三ツ星ベルトは、海外工場への集中的な設備投資が一段落したこともあり、前年度に比べ減少した。
ニッタの投資額は35億3100万円。主なものとしてはベルト製品、ホース・チューブ