日本ミシュランのトラック・バス用ワイドシングルタイヤ「ミシュランエックスワン」が、長野県のアルプス運輸建設のカーゴ車両に新車装着された。信州地区では初採用となる。これに合わせて7月7日、アルプス運輸本社で新車納入報告会が開催された。
「ミシュランエックスワン」は、トラックの後輪に装着されているダブルタイヤを1本にするというコンセプトで、1車軸当たり約100キロの軽量化を達成し、車両の輸送効率向上ならびに環境負荷低減に貢献するトラック・バス用ワイドシングルタイヤ。
トラック・バスタイヤ事業部セールスマーケティング部の秋田修マネージャーは、「エックスワンの採用は、多くの運送業者が抱えている輸送効率の向上、コストの削減などの課題解決になる」と製品を紹介した。
報告会の前にトラック・バスタイヤ事業部セールスマーケティング部の尾根山純一ビジネスセグメントマネージャーが、製品の説明、導入状況を解説した。
「ミシュランエックスワン」は、主にタンクローリー向けに2007年から国内発売を開始。
2013年にポスト新長期廃ガス規制が適用されてからは、積載の増加を求めるユーザーからの問い合わせが急増した。
近年では、輸送効率に重点を置くタンク系ユーザー、燃費向上を追求するリジットタイプの車両の装着が多く、積載向上が売り上げに即直結するダンプユーザーからの問い合わせも増えている。
2015年末までの導入予定数は、2007年比較で5倍程になると見込んでいる。
採用により、軽量化による積載量の維持と拡大、低燃費性能による輸送コストの削減、メンテナンス時間の半減、廃棄タイヤの削減による環境負荷削減、パンク率低減、運転操作性の向上、車両設計の可能性の拡大の7つのメリットが期待できる。
アルプス運輸建設は、2015年から木材チップ輸送という新規事業を展開している。
本事業では、その積載物の特殊性から「安全輸送」はもちろん、「最大積載量」と「燃費」に注視した車両設計が要求される。輸送効率の観点からもまず「最大積載量の向上」が大きな課題であったが、今回新たに導入する車両の後輪2軸にミシュランエックスワンXDN2を採用することでその要求を満たしたという。
アルプス運輸建設の上嶋金司代表取締役は、「積荷としての木材チップを輸送するためには、ボディー剛性を高めることが車両設計上の必要条件であった。しかし剛性を確保しようとすると使用する部材の特性からボディー全体の重量が増し、その分最大積載量が制限されてしまうという課題が発生した。
今回ミシュランエックスワンを後輪2軸へ装着することで従来のダブルタイヤと比較して合計約200キロの軽量化が可能となった。ホイールユニットで削減できた重量は最大積載量に転嫁できるため、結果として10t以上の最大積載量がこの車両形式で確保できた」と採用のメリットを強調した。