シヤチハタは7月21日、同社と未来科学研究所、大阪大学核物理研究センターが、放射線を遮蔽し線量を軽減する「放射線遮蔽シート」を共同開発したと発表した。
放射線遮蔽シートは、耐熱性の高いエラストマー素材に特殊添加剤を高濃度で練り込むことにより、ベータ線、ガンマ線などの放射線遮蔽性能を付与したフレキシブルなシート材。弾性とともに高い放射線遮蔽性を有するほか、鉛などの有害性重金属である環境負荷物質を含まない安全性の高い設計となっており、外部からの放射線を低減したい個所での遮蔽材や放射性廃棄物の保護用カバーシートなど、幅広い用途での活用が考えられる。
従来からある放射線遮蔽シートは、鉛を含有させており、70℃で溶融するなど欠点があった。しかし、同製品は柔軟なエラストマー素材を使用し、約150℃までの耐熱性を有している。
仕様は形状が厚み2㎜、幅1m、長さ1~3m。用途に合わせて製品の寸法規格は変更する。
なお、同共同開発は、大阪大学核物理研究センター加速器研究部門の福田光宏教授の協力を得て、同センターで性能評価を実施した。