経済産業省は、円高が産業に与える影響に関する調査を実施、中小企業を対象とした結果を明らかにした。これは、輸出製造企業を中心に93社の生の声を聴取したもので、実施時期は8月22日~26日。調査期間中の為替レート(東京市場終値)は1㌦=77・06円だった。
想定為替レートは1㌦=80円前後に設定している企業が多く、現在の円高水準が継続すると減益予想企業は8割となることが判明した。
「価格調整をする余裕がなく、先の読めないトンネルのようだ」(輸送用機械器具メーカー)、「価格転嫁、円建て取引もできず、長期化すれば取引量減少や取りやめになる恐れがある」(窯業)などの声があった。反面「円高は海外への旅行者が増えプラスに影響する」(旅行業)の意見もあった。
対策としては、経営努力によるコスト削減や取引の円建て化、さらには「海外生産比率の増加を検討する」との回答が多かった。円建て取引のため為替予約を必要としない企業も見受けられた。
2011年09月20日