十川ゴムの15年3月期決算は、売上高146億8700万円、前期比1・9%減、経常利益は1億6000万円、同17・4%増となり、減収増益となった。ただし、法人税の税率低減に伴い、繰延税金資産の取り崩しを行った結果、当期純損失1200万円を計上した。
上期については、前年4月の消費税増税前の駆け込み需要による反動の影響、ならびに物価の上昇が実質的な所得水準の下落による消費抑制効果をもたらした。下期においては、円安および原油価格の下落が進行する中、株高などの明るい兆しが見られ、ゆるやかな回復基調となった。
このような状況の下、同社は全体的には期待するほどの政策効果による好況感を得ることはできなかったものの、円安影響に対応して海外からの流入品に対抗した「国内で製造する」ということの優位性を最大限活かした展開を推進した。顧客と技術部門との直接面談頻度を増すことなどによる細やかな対応によるものづくりや、素早い営業対応による信頼構築を心がけ、顧客ニーズに合ったコスト・性能で満足度を高めるよう努めた。一方、素材・構造などについては、環境に配慮したものづくりに努め、また防災関連製品として大切な生命を守る製品開発を心がけた。
こうしたものづくりの中で、常に高付加価値製品の開発・販売に注力した結果、売上高は約2%減少したものの、原価低減等への取り組みが奏功して増益となった。
セグメント別に売上高を見ると、ゴムホースは、油圧機器産業用、土木・建設機械用、船舶・車両産業用などで高圧ホース、燃料ホース、エキスパンションジョイントなどが増加した。しかしながら、