東海カーボンの2015年12月期第2四半期の売上高は539億8400万円で前年同期比2・6%減、営業利益は15億6900万円で同13・2%増、経常利益は 19億1700万円で同54・4%増、四半期純利益は4億9700万円で同36・3%減となった。
主力製品であるカーボンブラックの国内外市場への安価な中国品流入や原料油価格下落による売価低下、黒鉛電極の供給過剰による価格低迷が売上減の要因となった。
カーボンブラック事業部門では、国内においては、引き続き消費増税前の駆け込み需要の反動により、対面業界である自動車及びタイヤ生産は前年同期を下回り、カーボンブラック需要も低調に推移した。また、国内外市場への安価な中国製品の流入や原料油価格下落に伴う売価低下が続き、特にタイにおいて深刻な影響を受けた。一方、カナダでは堅調な需要が続いた。同事業部門の連結売上高は前年同期比1・4%減の250億3400万円となり、営業利益は前年同期比79%減の2億3900万円となった。
炭素・セラミックス事業部門では、黒鉛電極の世界粗鋼生産は前年同期を下回る水準で推移し、対面業界である電炉鋼における内需の減速や、中国からの鋼材輸出増加等によるアジアを中心とした海外での稼働低下の影響を受け、黒鉛電極の販売数量は前年同期比減となった。この結果、円安効果は受けたものの、売上高は需給バランスの不均衡によって価格が弱含み、前年同期比13・3%減の134億5500万円となった。
ファインカーボンの対面業界である半導体や太陽電池生産は緩やかな回復基調が続いたが、黒鉛業界においては依然として需給ギャップが大きく、厳しい価格競争となった。欧州、韓国においては一定量の需要を確保したが、日本では力強さに欠ける展開となった。一方、米国では半導体、ポリシリコン向けや一般産業用の需要が比較的堅調に推移し、中国でも太陽電池用需要が回復傾向を示した。この結果ファインカーボンの売上高は前年同期比6・3%増の75億4400万円となった。同事業部門の売上高は前年同期比7・2%減の209億9900万円となり、営業利益は、前年同期比146・99%増の13億2900万円となった。
工業炉および関連製品事業部門は、主要な需要先である情報技術関連業界では、一部に回復の兆しが見られたことから、主力製品である工業炉の売上高は、前年同期比増となった。発熱体その他製品の売上高は、中国ガラス業界の需要が低調に推移したものの、一部の主要電子部品業界を筆頭に熱処理関係の需要が堅調に推移したため前年同期比増となった。同事業部門の売上高は前年同期比11・4%増の25億400万円となり、営業利益は前年同期比29・9%増の3億3700万円となった。
通期の連結業績予想は当初見通しから変更なく、売上高が1080億円で前期比5・7%減、営業利益が40億円で同8%増、経常利益は44億円で同5・3%増、当期純利益は16億円で同37・6%減を見込んでいる。