技術と品質改善に注力
メキシコでの現法相次ぐ
タイヤをはじめベルト、ホース、ロール、シールなどのゴム製品の製造に必要不可欠のゴム・エラストマー、カーボンブラック、ゴム用薬品、副資材を市場に供給するゴム・ケミカル専門商社(原料・資材専門商社)。
各社は原材料の円滑な流通、品質の維持改善に努めるとともに、独自の研究・技術開発部門を有し、多様化するニーズへの対応を積極的に進めており、市場のニーズに即したスペシャリティケミカルズ製品の供給に努めている。
また、技術革新が進む中、自動車・IT関連機器・OA機器用などのゴム部品では機能性の向上が求められ、使用する原料に対する品質基準はより厳しいものとなっている。このため、取引先のニーズを先取りし、既存商品の品質改善を図ることはもとより、新規開発商品として環境対応型の各種新素材の取り扱いを開始しており、質の高い技術サービスとグローバルな関連情報の提供に努めている。
一方、あらゆる産業の生産拠点がグローバル化し、海外の各地域で様々な原料需要が強まっており、ゴム・ケミカル専門商社は海外拠点の拡充を強化し、海外生産比率の拡大に注力している。質の高い技術サービスとグローバルな関連情報の提供がゴム・ケミカル専門商社の大きな使命とも言える。
海外拠点の拡充では、北米を中心とした米州地域での自動車販売増加を受け、自動車メーカーの新規参入や日系メーカーの増産が相次ぐメキシコでは、自動車部品産業も大きく裾野を広げつつあり、自動車ゴム部品メーカーに原料・資材を供給する原料商社のメキシコでの現地法人設立が相次いでいる。
ケミカル専門商社の東京材料は13番目の海外拠点として2015年4月にメキシコに現地法人「東京材料メキシコ」を設立し、合成ゴム・合成樹脂・カーボンブラック、副資材等の販売を行なっている。また、三洋貿易も2013年1月にメキシコ現地法人「Sun Phoenix Mexico S.A. de C.V.」を設立したのに続いて、加藤産商も2014年2月に海外事業取り組みの一環として、11ヵ所目の海外拠点となる現地法人「SKマテリアルズ・メキシコ」を設立しており、メキシコでの原料販売競争も激化しそうだ。白石カルシウムも今年に入ってメキシコに現法設立を視野に入れた在庫拠点を確保した。
全文:約978文字