BASFは9月18日、同社のメラミン樹脂発泡品バソテクトが、今回、アプリケーションの幅を広げ、エレベーターの吸音対策に採用されたと発表した。
バソテクトは自動車や建築の内装材料に用いることができる軽量な吸音素材。今回、独・ティッセンクルップエレベーター社および、アメリカの ナショナル・エレベーター・キャブ・アンド・ドアー社とのプロジェクトにおいて、ニューヨーク市の高層ビルに設置されたエレベーターのかご室の騒音レベルを低減するため同製品が使用された。エレベーターが非常に高速(最大時速37キロ)であるにもかかわらず、かご室内の騒音レベルは50dB未満と、2人の人間が会話するよりも静かなレベルに抑えられている。
このような高層ビル用超高速エレベーターを実際に建設する前に、ナショナル・エレベーター社は、レクティセルグループの子会社であり、断熱・吸音ソリューションのトップサプライヤーであるサウンドコート社および吸音コンサルタントのフランク・カーシュナー氏と協力して建設した実物大のモックアップエレベーターを使用し、バソテクトの徹底的な検証を行った。
同製品はオープンセル・繊細気泡構造であることから吸音率が非常に優れており、吸音性に関する要件を満たしただけでなく、他の設計基準も満たした。
また、AST E84の火炎速度および煙濃度に関する試験でもClass Aを達成している。さらに、かご室が動いている時に大きな気流にさらされても、繊維や小片が剥がれ落ちることはない。稼働開始から停止までの運用時のエネルギー要件を低減させるためには、かご室を可能な限り軽量にすることが非常に重要だったが、同製品は密度がわずか9kg/㎥であるため、この要件も満たすことができた。