ブリヂストンは9月29日、水素ステーションなどで燃料電池自動車に水素を充填する際に使用される、高耐圧性の水素充填用ホースの販売を開始すると発表した。
昨今、水素社会の実現に向けて自動車の開発やインフラの整備が進んでおり、各地で水素ステーションの設置が進んでいる。水素ステーションでは、ホースを使用して水素をタンクから車両に充填するが、このときの水素は高圧に圧縮されているため、使用するホースには高耐圧性が求められている。現在、国内の水素ステーションにおける水素の充填時の最高圧力は最大70MPaと定められているが、充填圧力を高めることで水素の充填量を増やすことができ、航続距離延長や充填時間の短縮が期待できるため、この最高圧力が82MPaまで上げられることが見込まれている。同社は水素社会の実現に向けた更なる利便性の向上に貢献するために、82MPaの耐圧性能を有するホースの開発に取り組み、この度製品化が実現した。
同製品は、ホース内部の補強層に耐水素脆化性を追求した高抗張力鋼線ワイヤーを採用し、さらに6層にすることで高耐圧性を実現。また、耐水素ガス透過性に優れる材料を内層に採用することで水素ガスの透過を抑制。さらに、充填時のホースの操作性を考慮し柔軟性を確保している。
同社は今後も高い技術力を活かし、顧客のご要望に応える製品を提案していくことで、モビリティー社会に貢献していくとしている。