BASF 再生可能原料のBDO能増 特許権所有社との契約を拡大

2015年10月05日

ゴムタイムス社

 BASFは10月5日、米ジェノマティカが特許権を所有するプロセスを用いた、再生可能原料ベースの1,4―ブタンジオール(BDO)の製造に関するライセンス契約の対象地域を拡大したと発表した。

 北米を中心としていた当初の契約に、一部の東南アジア諸国が加わった。

 このライセンス契約により、BASFはジェノマティカのプロセスを使って、再生可能原料ベースのBDOを製造する世界規模の製造施設を建設できるようになる。

 BASFは年間最大7万5000tの製造を行う権利を取得。合意内容に基づき、ジェノマティカは再生可能原料ベースのBDOの製造に用いられる、同社の特許取得済み「GENO BDOTMプロセス技術」を今後も発展させていく。

 一段階発酵などのプロセスは、再生可能原料としてブドウ糖やショ糖を使用して行うことが可能。なお、両社は今回の契約の財務上の詳細は開示しないことで合意している。

 BASFは再生可能原料ベースのBDOを商業規模で製造し、サンプル評価など商業化利用を目的とした顧客に提供している。こうしたBDOの品質は、石油化学ベースのBDOに匹敵する。

 また、BASFは再生可能原料ベースのBDOから作る、PolyTHF(ポリテトラヒドロフラン)の製造・提供により、製品ポートフォリオを拡充した。

 BDOとその誘導体は、包装材、自動車、繊維、スポーツ・レジャーなどの業界で使用されるプラスチック、溶剤、電子材料化学品、弾性繊維の製造に利用されている。

 現在、BASFはドイツのルートヴィッヒスハーフェン、米国のルイジアナ州ガイスマー、日本の千葉、マレーシアのクアンタン、中国の漕涇(カオジン)でBDOとBDO同等品を製造。今年末までにBDOの製造能力を65万t、来年初めまでにPolyTHFの製造能力を35万tへ、世界的に増強することを発表している。

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