ポリプラスチックス㈱は、関連会社で環状オレフィンコポリマー(商品名「TOPAS)を製造販売しているTopas Advanced Polymers GmbH (本社 ドイツ・フランクフルト)と共同で、加工特性を改善した包装用の新グレード「9506F―500」を開発した。
高純度で無色透明のポリマーである環状オレフィンコポリマー「TOPAS」は、現在その特長を活かし光学用途や医療材料として使われている。さらに水蒸気バリア性、高剛性、真空成形での低偏肉、シュリンク特性やポリエチレン(PE)との親和性など、多くの特長を持ちつつ、押出成形に適した樹脂であることから包装材料としても期待されている。
一方、近年は食品包装分野では内容物の保護性能を高めることや長期保存性の向上などが求められており、また高付加価値化の流れから易開封性、良外観性なども求められるようになった。
同社の 「TOPAS」の従来グレードでは加工条件によってはゲルが発生するという問題があったが、これまでの標準グレードである「9506F―04」が持つ「ガラス転移温度が低い」「溶融粘度が高い」といったインフレーションフィルムなどの押出成形に適した特長を保持しつつ、さらに押出し時の加工特性を改善し、様々な加工条件に対応可能な、押出加工用グレード「9506F―500」を開発した。
この新グレード「9506F―500」は、FDA(アメリカ食品医薬品局)の試験規格やポリオレフィン等衛生協議会の自主基準に適合し、さらに環状ポリオレフィン系としては低いガラス転移温度(Tg)レベルに位置しており、オレフィン系シュリンクフィルムの基材として、低温かつ高シュリンク設計が可能となる。さらにポリエチレンを中心とした汎用オレフィンにブレンドすることで、高剛性、易カット性などの特長が付与される。
さらに、フィルムの多層化などにより「TOPAS」の高水蒸気バリア性やヒートシール特性、アルミ蒸着適性を活かした高バリアフィルムへの採用も期待されている。