山上新理事長体制がスタート
東部工業用ゴム製品卸商業組合(東京都中央区、山上茂久理事長)は、工業用ゴム・樹脂製品卸売業に関する指導、教育、情報・資料の収集、提供、調査・研究、さらに組合員・組合員従業員に対する福利厚生斡旋事業、親睦事業など、幅広い事業活動を展開している。今期は役員改選期にあたり、5月に開催した通常総会で山上茂久氏(㈱ヤマカミ)が新理事長に、小杉茂夫氏(㈱ミトヨ)、永田嘉男氏(平和ゴム商工㈱)が副理事長にそれぞれ選任された。
山上新理事長は、「伝統を継承しつつ、新しい時代に対応した組合を目指す」などと抱負を語った。
―理事長に就任して
当会は長い歴史を持ち、先輩方の知恵の結晶だと思っている。その伝統とこれまで培ってきたものを継承しつつ、今の時代に合わせた組合活動を行っていければと考えている。
―ネット販売について
既存のネット販売会社と共存して、販売・流通チャネルの一つとして活用していく方法もあると思う。できるかどうかは別にして、団体共済のような形でネット対応の組合を作り、いろいろな商材を集めて商品を流通させることも考えられる。
―女性の参加について
組合の活動とは別に女子会があり、女性が入ってくるようになった。組合行事として女性向けセミナーを行っており、こうした活動を通じて女性が参加するようになってきている。会報・IT部会には、部会員として女性が4人入ったし、6月の「機械製図の基礎」勉強会にも、女性がたくさん来てくれた。
―会員数について
新入会員を増やすことを、組合員全体が意識して取り組まなければならない。そうしないと組合を維持・発展させることはできないだろう。それもあって、支部活動にも力を入れている。組合に出てこなくても、支部に出てくる会員もいる。ただ、支部にも出てこない会員をフォローするのは難しい。
一方で、部会に出席するのは、ある程度の規模がある会社だ。しかし、組合員の数では、そうではない会社の方が多い。そうすると、本部で決めていることが、大手企業の方向性に沿ったものとなってしまうこともあり得る。小規模の会社の考え方や立場を理解した上で運営しないと、組合員が減少してしまうことになるだろう。
「世代間の橋渡し役に」
―課題は
今の理事は40~50代が多く、今まで活動を担ってきた先輩たちとの接点があまりない。考え方が異なるところもある。中には組合の成り立ちを分かっていない人もいる。
このように、世代間のギャップがかなりあるにも関わらず、私と同世代の人がほとんどいないので、その橋渡しをうまくしていかなければならないと感じている。
賦課金も重要だ。リーマンショックの際に、月会費を1000円下げた。それが今日まで続いているため、組合の運営が厳しくなっている。
これに関しては、憎まれ役になってでも来期は元に戻して、組合の運営を健全化させていきたいと思っている。
―会員に望むことは
勉強会に参加する各企業の社員が増えてきたのは喜ばしいことだ。
今まで会社単位でやっていたことを組合でやれば、助かる企業もあるし、効率もいい。例えば、共済会で実施している新入社員研修。小さい会社ではできないところもあるが、それを組合でやることで、コンスタントに活用している会社もある。
だから、組合をもっと活用してほしい。そのためにも、さらに情報発信をしていかなければならないと考えている。
ヤマカミ(ベルト)が2連覇
東部ゴム商組野球大会 完全試合達成で華を添える
東部ゴム商組(山上茂久理事長)主催の第37回野球大会の4日目(最終日)は8月23日、東実健保体育館グラウンド(千葉県柏市)で準決勝および決勝戦が行われた。
決勝戦は、2対0でヤマカミ(ベルト)チームがシバタチームを下し、2連覇を達成した。
今大会は会員、賛助会員から35チームが参加、4日間にわたって熱戦が繰り広げられた。
準決勝のヤマカミ(ベルト)チームとニシヤマAチームの対戦は、2対1の接戦をヤマカミ(ベルト)チームが制した。 シバタと日加商工の対戦は、9対2でシバタチームが勝利し、決勝に勝ち進んだ。
決勝はヤマカミ(ベルト)チームの木野村投手が、完全試合を達成し、2対0で勝利。昨年の優勝に続き2連覇を成し遂げた。
三位決定戦のニシヤマAチームと日加商工の対戦は、6対3でニシヤマAチームが勝利した。
優勝したヤマカミ(ベルト)チームの山上社長は「カナフレックスさん、ニシヤマさん、シバタさんと皆さん強豪チームでした。勝因はほぼ毎週やっていることと60人近い応援団が皆で応援してくれたことだと思う」とこの夏の戦いを振り返った。
試合後には、ヤマカミ(ベルト)チーム、シバタ、ニシヤマAチーム、日加商工の4チームが参加して閉会式が行われた。
優勝旗がヤマカミ(ベルト)チームに手渡され、最優秀選手には完全試合を達成したヤマカミ(ベルト)チームの木野村淳選手(35歳)が選ばれた。
木野村選手は、完全試合を振り返り「キャッチャーが構えた所に投げて、野手がしっかりと守ってくれた。大胆に行けたのが良かった」とコメントした。
最後に小杉茂夫副理事長(㈱ミトヨ)が「この大会を無事終了することができてよかったと思います。伝統ある野球大会です。来年も今年のように多くのチームが参加してくれることを祈念します」と話し、大会を締めくくった。
第33回全国ゴム商組連合会に参加
第33回全国ゴム商組連合会が9月8日、名古屋市内の名鉄ニューグランドホテルで開催された。
各地区商組は事前アンケートに基づく事業活動状況(組合員数、役員改選)、ベルト、ホース、工業用ゴム製品の景況について報告した。各種ゴム製品の販売動向については各地区商組で地場産業の動向、品種によりばらつきがあるものの、自動車生産減が響き総じて横ばい推移となった。
東部ゴム商組が報告した事業運営および景況は次のとおり。
組合活動では、リーマーンショック時に賦課金を1000円下げたが、それ以降赤字の運営が続いていた。このため、来年度から元の金額に戻せるよう会員各位に周知し、理解を得られるよう広報活動を行っている。また、2016年度の商品説明展示会については、都立産業貿易センターの台東館に会場を変更して実施する予定。
市況についてはベルト全般では、一部を除いて昨年並みあるいは一けた台のマイナス。
Vベルトは前年並みか、前年割れが多く、全般的に不調。樹脂ベルトは食品機械、金属探知器など「食の安全」対応の需要が好調で若干増加。来年1月施工のPIM規格の需要がある。
ゴムホースは地盤改良ホースが好調。自動車関連は前年並み。高圧ホースは9月までは建設機械の4次排ガス規制による受注残があるが、その後の需要は不明。工作機械向けは好調。
樹脂ホースはネット通販の影響で市場価格が下がる傾向があリ、粗利の低下を招いている。
ゴム板は東京五輪や震災復興に向けて建築・土木関連の需要が増加することを期待するが、本格的な動きはもう少し先と見ている。
10月末に鈴本寄席を開催
今後も同組合主催の親睦・研修事業が相次いで開催される予定だ。毎年恒例となった「鈴本貸切寄席会」が10月29、30日の両日、東京・上野の鈴本演芸場で開催される。
その他、11月16日には「女性のためのセミナー」を開催。11月17日には同組合主催の見学会が、東京臨海広域防災公園において開催される。
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