J・D・パワー社は10月19日、今年で7回目の実施となる日本リプレイスタイヤ顧客満足度調査の結果を発表した。
同調査は市販タイヤ(冬用タイヤを除く)を新品で購入後、3~14ヵ月が経過した乗用車ユーザーを対象に、市販夏用タイヤの顧客満足度を測定している。2014年6月から2015年5月の間に市販夏用タイヤを新品で購入した乗用車ユーザーに対し、2015年7月下旬から8月にかけてインターネット調査を実施し、総計7979人から回答を得た。
市販夏用タイヤ(リプレイスタイヤ)に関する総合的な評価を、4つの性能領域に基づいて算出している。それらは「グリップ/ハンドリング性能」、「乗り心地」、「耐摩耗性能」、「見映え」の4つで、これらのファクターにおける、合計10項目の詳細項目の評価を基に、総合満足度(1000ポイント満点)を算出している。
J・D・パワー アジア・パシフィックのオートモーティブ部門執行役員である木本卓氏は「タイヤの購入時のブランド選択理由をみると、全17の理由の中で『店員の勧め』の割合が『価格』に次いで2番目に高い。しかし、その満足度をみると、業界平均より21ポイント低く、必ずしも満足度に貢献していないことが分かる。最近増加しているインターネットでの購入とは異なり、実店舗での購入では省燃費や耐摩耗性といった商品の機能等について、顧客と直接話をする機会に恵まれることを考えれば、魅力的な販売プログラム等の開発含め全体的な店頭販売力を強化することで、自社ブランドの選定率を上げながら満足度を上げていくことが可能ではないか」と述べている。
セグメント別にみると、昨年より満足度が低下したのはミッドサイズで、昨年より9ポイント低い581ポイント、またラージにおいては、昨年より1ポイント低い612ポイントとなった。
ファクター別にみると、ミッドサイズでは、グリップ・ハンドリング性能で14ポイント、乗り心地で7ポイント、耐摩耗性能で6ポイント、見映えで7ポイント、各々低下している。一方ラージでは、グリップ・ハンドリング性能で4ポイント、耐摩耗性能で7ポイント、見映えで1ポイント各々低下している。
インターネットによる購入層の割合が、2013年の13%から2015年では21%と増えている中で、他メーカーとの比較検討をした割合が68%に達し、購入理由として価格の安さを挙げる割合が58%と最も多い。
タイヤ購入経路別に購入時の重視点をみると、インターネットで購入した場合、価格(29%)、コストパフォーマンス(18%)、耐摩耗性(6%)、省燃費性(7%)の順となっており、実店舗で購入した場合の価格(24%)、コストパフォーマンス(16%)、耐摩耗性(11%)、省燃費性(10%)とは、やや異なる傾向を示している。
顧客満足度とロイヤルティの関係をみると、満足度が高い顧客層(総合満足度800ポイント以上)では、次回も同じメーカーの夏用タイヤを購入する意向が94%、他人への推奨意向は88%に達するが、反対に満足度が低い顧客層(400ポイント未満)の場合では、それぞれ66%、44%にとどまる。
今回ランキングが発表された4つの車両セグメント別の総合満足度ランキングは以下のようになった。
軽自動車/コンパクトカーセグメントは、業界平均は540ポイント。ミシュランが622ポイントで第1位となった。第2位はダンロップ(560ポイント)が続く。ミシュランは、全てのファクターでセグメントト
ップスコアとなった。
ミッドサイズセグメントでは、業界平均は581ポイント。ミシュランが第1位(645ポイント)で、第2位はブリヂストン(603ポイント)となった。
ラージセグメントは、業界平均は612ポイント。ミシュランが第1位(654ポイント)。第2位はブリヂストンとピレリが同スコア(627ポイント)となった。
ミニバンセグメントでは、業界平均は562ポイント。ミシュランが第1位(619ポイント)。第2位はヨコハマ(584ポイント)となった。