信越化学工業は10月26日、主力事業の一つであるシリコーン事業で国内に総額200億円の設備投資を実施し、事業の拡大を図ると発表した。
今回の設備投資の目的は、シリコーン事業において研究開発から試作、そして量産の各段階の設備を増強し世界で拡大している高機能シリコーン製品の需要を着実に取り込むこと。
国内最大の拠点である群馬事業所では、50億円を投じてシリコーン電子材料技術研究所の新研究棟の建設が進められ、2016年春の稼働を目指している。
更に群馬事業所では120億円を投じ、少量多品種生産に対応した生産設備の建設や、需要の伸びが期待される自動車、化粧品、化学、ヘルスケアなどに使用される各種シリコーン製品の生産能力の増強などを行うことを決定。事業所内で研究開発から量産までを手掛ける一貫体制を強化する。また直江津工場(新潟県)には30億円を投じ、船舶用塗料の材料として用いられるシリコーン製品の製造設備を新たに設置する。
これら合計で200億円に及ぶ設備投資を日本国内で実施し、研究、製造、営業が緊密な連携を取りながら高機能で高品質な製品を世界中の顧客に供給していく。各設備とも2017年3月までに完成する予定。
一方、海外では、タイにおいて生産能力の増強を進めているシリコーン工場の隣接地を約50億円で新たに事業用地として取得した。またアメリカではニュージャージー州にテクニカルセンターを開設するなど、信越化学はシリコーン事業で、国内とともに海外でも事業の拡大に向けた投資を進めている。
同社では、今後シリコーン事業で2桁成長の伸びを目指している。研究、製造、営業が一体となり、これら国内外の設備投資を早期に戦力化し、目標の達成に取り組んでいく方針。