DSL.ジャパン 5割能増のシリカ生産が稼動

2015年11月02日

ゴムタイムス社

 エボニックグループのDSL.ジャパン(金井産社長)は10月29日、東京・新宿の本社において記者発表会を開催し、同社赤穂工場のスペシャリティシリカ生産能力増強が本格的に稼動したと発表した。

 投資額は10百万ユーロを超えない規模で、14年8月に増産設備を着工し、15年10月29日から生産を開始した。投資内容は原料倉庫、反応設備、ろ過設備、乾燥設備、包装設備、製品倉庫など。

 これらの新しい生産設備はISO14001およびISO9001―HACCPの品質基準を満たしており、日本の医薬品添加剤GMP基準の認証にも合致する。

 また、増強した新生産ラインは、食品衛生面に配慮し、エネルギーの高騰や為替の円安などに対応した省エネルギー対策をとったほか、新技術の導入、省人化を実現した。 この結果、生産能力は約5割増強となるという。

 同社は10月27日には、同社赤穂工場で増強した生産設備の竣工式を行った。

 同社が生産する湿式シリカには、タイヤおよびゴム補強向けなどに使用するゴム用の他、ビールのろ過助剤、医薬品製剤用の薬物担体、歯磨き剤の増粘用など、幅広い用途に使われるスペシャリティシリカがある。

 このスペシャルティシリカの製品であるSIPERNAT®(シペルナート)およびCARPLEX®(カープレックス)ブランドを今回の能力増強で生産を開始。高品質なシリカの継続的な提供が可能となり、食品、化粧品、医薬など高度な分野の顧客もサポートできるようになった。

 生産設備の増強について、金井社長は「生産能力の増強分の割合は30%が海外向け、70%が国内向け。特に、国内は今まで我々が参入できていなかった分野や新規分野で我々のシリカが使えるように取り組んでいきたい」と述べた。

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