独BASFは10月30日、2015年第3四半期の業績を発表した。
市場環境が予想よりも厳しいため、売上高は前年同期比5%減少し、174億ユーロとなった。利息・税金・償却控除前営業利益(EBITDA)は3億5800万ユーロ増加し、29億ユーロとなったが、これは主に、減価償却費が増額したことに起因する。それに対し、特別項目控除前EBITは1億7100万ユーロ減少し、16億ユーロとなった。特別項目控除前EBITは、化学品部門では小幅増、機能性材料部門では大幅増となったが、その他各部門では大幅減益となった。
原油価格の急落により、主に化学品部門、石油・ガス部門で価格が下落(8%減)した。販売量は前年同期比で小幅減少(1%減)。化学品部門、高性能製品部門、機能性材料部門で構成される化学品事業の販売量は、前年同期比で減少したが、農業関連製品部門および石油・ガス部門では増加した。また、農業関連事業以外のすべての事業本部で為替のプラス効果(4%増)が見られた。
EBITにおける特別項目は、前年同期のマイナス3200万ユーロに対し、2億8600万ユーロのプラスに転じた。これは主に、9月末に締結したガスプロムとの資産交換による利益が要因。EBITは前年同期比で1億4700万ユーロ増加し、19億ユーロとなった。純利益は1億9500万ユーロ増加し、12億ユーロとなった。1株当たり利益は、前年同期の1・11ユーロに対して1・31ユーロとなった。
1月から9月までの同社グループの売上高は、前年同期比1%増の566億ユーロ。特別項目控除前EBITは1億8200万ユーロ減少し、57億ユーロとなった。EBITは59億ユーロで、前年同期の水準を維持している。
第1四半期から第3四半期までの営業活動から得られたキャッシュは、前年同期比で36億ユーロ増加し、85億ユーロとなった。これは主に、在庫量を削減したことによるもの。