独ランクセスは11月6日、15年度第3四半期の業績を発表した。
特別項目調整前EBITDAは2億3500万ユーロで前年同期比12%増、純利益は4100万ユーロで同17%増だった。
この結果と、事業再構築プログラムの予定を上回る進捗を受け、通期の業績予測値を再度上方修正し、特別項目調整前EBITDAを8億6000万ユーロ~9億ユーロへと変更した。前回予測値では8億4000万ユーロ~8億8000万ユーロとなっていた。
マティアス・ツァハトCEOは「第3四半期累計の業績は満足のいくものだった。しかしながら、世界の経済成長は低調にとどまり、多くの新興市場が不確実な見通しとなっていることも考慮し、事業再構築を再び加速した。その結果、業績と通年の業績予測値に好影響をもたらした」と述べている。
管理部門と事業体制の効率化の効果はすでに現れており、事業再構築プログラムの第1段階の完了を受けて、当初予定より1年前倒しし、今年度末までに年間1億5000万ユーロのコスト削減を達成する予定だ。
また、事業再構築プログラムの第2段階を加速。グローバル製造ネットワークの最適化によって、同社グループはさらに年間1億5000万ユーロのコスト削減に取り組んでおり、19年時点で完全に達成される見込みである。
同コスト削減は、製造プラントと工程をグローバル視点で捉え、分析・管理することで達成可能となる。この製造工程管理分析は16年まで継続して実施される。
1億5000万ユーロのうちの約1億ユーロは、製造拠点での工程改善の包括的な対策によりもたらされると期待している。結果として、特にエネルギーと原料の消費削減や、メンテナンスプロセスの最適化などの効果が見込まれる。
また、中南米とフランスのゴム製造施設での製造能力調整と効率化措置によって、最大3000万ユーロのコストを削減。さらには、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)と、ネオジウム触媒ポリブタジエンラバー(Nd―BR)の製造ネットワークの最適化によって、さらに2000万ユーロのコスト削減を見込んでいる。